ネット通販の基幹業務とは?
ネット通販の核となるのは、どの部分だと思いますか?
ネットショップのサイトでしょうか?
それとも、商品の出荷配送を行うバックヤード業務でしょうか?
答えはもちろん両方です。
どちらが欠けてもうまく行きません。
しかし、私たちはあえてバックヤード業務こそが最も大きな核となる部分であると主張したいと思っています。
その理由は、ネット通販というビジネスでお客様とリアルに接点がある部分は、お客様に商品を届けるという部分であり、届いた商品を手に取るというお客様の行動にあると考えるからです。
ネット通販で最もクレームが多いのは、ショップのサイト運営に関するものではなく、届いた商品自体の問題や、出荷品質に関するものです。
Amazonのレビューコメントだけを見ても分かる通りで、今はネットショップの購買体験で感動したり不満を覚えたりすることは少なく、届いた商品の保管状態や梱包の仕方、遅延などの出荷トラブルなどに対してクレームがつくことの方が多くなってきています。
お客様とリアルに接点がある部分は、ご注文頂いた商品をお客様に手にしてもらったときです。
この出荷品質を担保するために、最も有効なソリューションとして、私たちは自社内で出荷業務を完結させるのがよいと考えています。
いつまでアウトソーシングを続けますか?
ネットショップの運営に集中するために、バックヤード業務を倉庫会社などの外部の業者に委託する戦略を採っている事業者は多く存在します。
入出荷業務のアウトソーシングですね。
商品の保管や在庫管理、出荷業務を外部にアウトソーシングできれば確かに楽にはなります。
また、物量的な問題や社内リソースの制限などの事情で、外部に出してしまうのが妥当な場合ももちろん多くあります。
アウトソーシングを選ぶ理由は色々ありますが、その中でも最も大きな理由はコストです。
外部に委託すれば、出荷業務にかかるコストを節約できます。
しかし、アウトソーシングを行うことが本当にコストパフォーマンスに優れていると言えるのでしょうか。
どの業界でも言えることですが、アウトソーシングというのはノウハウの放棄を意味します。
一部の業務をアウトソーシングで社外に出すことによって、それにかかるコストを下げることができます。その一方で、アウトソーシングに出してしまった業務はブラックボックスになり、自社内にはその業務に関する知識やノウハウは一切蓄積されなくなります。
また、アウトソーシングにはリスクもあります。
特に基幹業務をアウトソーシングに出してしまうと言うことは、弱体化に直結するリスクを孕んでいます。
運送会社などと違い、倉庫というのは簡単には切り替えられません。
現在いろんなものが値上がりしていて、これからも値上げは続くと予想できます。
アウトソーシングに出していた委託倉庫の費用も当然上がる傾向があります。
そして基幹業務をアウトソーシングに出している場合、その値上げは一方的に受け入れざるを得ません。
成長と拡大を支えるのは従業員
私たちが自社物流の実現を積極的に応援しているのは、それがネット通販事業の成長路線に乗って維持し続けるために最も確度の高い方法だという確信があるからです。
現在ゼータロジをご使用頂いているお客様では、ゼータロジの導入時に自社倉庫を構えて一から自社物流環境を整えたというケースが非常に多くあります。それまで社外に任せていた出荷業務を、全部社内で賄ってしまおうという経営判断です。
バックヤード業務というのは、出荷のボトルネックになりやすい部分でもあります。大量の出荷を処理するためには、出荷業務を際限なく効率化していくしかありません。
しかしこの効率化というのは、社外には求めにくいものです。アウトソーシング自体が効率化みたいなものなので、そのアウトソーシング先に効率化を求めれば、その分の対価を支払うことになります。
出荷業務が社内の仕事であれば、それを効率化することは無限にできます。
また、自社内の業務を効率化していくというのは、自社を鍛えていくことに他なりません。
どう考えても無理な場合や、明らかに外部に出した方がいいケースももちろんありますが、検討の余地がある場合は積極的に考えてみてもいいのではないかと思っています。
楽しさと充実感
仕事とは何かと問われたとき、あなたは何と答えますか?
私は「仕事とは工夫し続けられるもの」だと教えられました。
工夫が要らない仕事は、ただの作業です。
工夫できるから楽しいのです。
工夫の余地がなく、ほとんど効率化できずに誰がやっても同じようにしかならないものは作業であり、それらは誰にやらせるべきなのかというと、社員ではなく外部業者です。つまりアウトソーシングの対象になります。
自社の従業員には、仕事をしてもらう必要があります。
つまり工夫できることです。工夫できる仕事は楽しく、充実感があります。
では日々の出荷業務は作業でしょうか。それとも仕事でしょうか。
私たちはお客様の自社物流の構築のお手伝いをしながら、その現場の様子を見てきて、出荷業務はまぎれもなく仕事であるという確信を持っています。
社内に倉庫を持ち、自分たちの手で商品管理を行いながら商品を出荷していくというのは、どこまでも工夫の入り込む余地のある仕事です。
どこまでも改善でき、どこまでも効率化できます。
そして工夫によってダイナミックに変わっていくのを感じながら充実感を得ていきます。
商品を知り尽くしている人は誰か
ネットショッピングでお客様に与える感動は、届いた商品を箱から取り出すときに生まれます。
ネットショップのサイトで購入したときではありません。
サイトで購入したときも感動はあるかもしれませんが、それは始まりしかありません。
購入したときにどんなに感動できたとしても、届いた商品を手に取ったときに不満を与えてしまえば、その悪い印象がお店の印象になってしまいます。
届いた商品を実際に商品を手に取ったときにお客様に与える感動を左右するものは、出荷品質です。
これを本気で担保しようとする場合、最終的には自分たちで出荷業務をコントロールするしかないと考えています。
アウトソーシングで外部に委託していたら、その外部業者の仕事のレベルに左右されてしまいます。
ただの梱包や商品の保管状態といった何でもなさそうな要素がお客様の満足度に大きく影響します。
商品を適切に取り扱い、かつ正確に出荷するためには、商品知識が必要です。
私たちはお客様の現場で驚くことがよくあります。
ゼータロジの導入前でバーコード検品を行っていない場合でも、熟練の従業員が目視で商品を見分けていきます。見た目にはほとんど違いのない商品でも、自社の商品を知り尽くしている従業員であれば違いに気がつくのです。
これにバーコード検品が加われば、ピッキングミスを引き起こす可能性は限りなくゼロになります。