ギフトセット、まとめ買いのアソート、福袋、お試し3点セット。通販では、複数の商品を組み合わせて1つの商品として販売する場面がよくあります。
このとき悩ましいのが、在庫をどう数えるかです。セットとして数えるのか、中身の単品として数えるのか。ここを最初に決めておかないと、あとから在庫が合わなくなります。
この記事では、セット商品の在庫管理の考え方と、実務での判断基準を整理します。
セット商品を「セットのまま」在庫にすると起きること
もっとも素直に思えるのは、セットを1つの商品として在庫に持つ方法です。「ギフトセットA:在庫30」という数え方です。
ところが、単品でも同じ商品を販売している場合、ここで問題が起きます。
- 単品在庫とセット在庫を別々に管理することになる
- 単品が売り切れても、セット用の在庫は棚に残っている
- 逆にセットが売れ残ると、単品として売るために解体が必要になる
- 「全部でいくつあるのか」がすぐに答えられない
倉庫の中では同じ商品が2つの人格を持つことになり、棚卸のたびに突き合わせが発生します。在庫差異の多くは、この二重管理から生まれます。
構成品単位で管理する、という考え方
そこで採られるのが、在庫は常に構成品(単品)で数え、セットは出荷時に分解して引き当てるという方法です。
ギフトセットAが「商品X×2、商品Y×1」で構成されているなら、セットが1件売れた時点で、XとYの在庫からそれぞれ2個と1個が引き当てられます。
この方法には、次の利点があります。
- 商品Xの在庫は常に1つの数字で、セット販売と単品販売のどちらで減っても整合が取れる
- 棚に置くのも1種類だけなので、保管スペースが増えない
- セットの組み合わせを変えても、在庫の持ち方を変えずに済む
- 期間限定のセットを作るときに、事前の組み立て作業が要らない
販売側では自由にセットを企画でき、倉庫側は単品を管理するだけでよい。役割がきれいに分かれます。
事前に組み立てるほうがよい場合もある
ただし、常に出荷時に分解するのが正解とは限りません。次のような場合は、あらかじめ組み立てて1つの商品として持つほうが現実的です。
- 専用の外箱やラッピングがある……化粧箱に詰めてシュリンクをかける、といった作業を出荷のたびに行うのは非効率です
- 組み立てに時間がかかる……1件あたり数分かかる作業は、出荷の締め時間を圧迫します
- 出荷数が読める……予約販売や定期便など、数が事前に分かる場合は先に作れます
- セット専用のJANコードが付いている……メーカーからセット状態で仕入れる場合です
この場合、組み立てた分だけ単品在庫を減らし、セット品として在庫を計上する処理が必要になります。倉庫の中で商品が別のものに変わる、という記録です。
判断の目安
迷ったときは、次の観点で考えると整理しやすくなります。
- 同じ商品を単品でも売っているか……売っているなら、構成品単位のほうが在庫が合います
- 梱包に特別な作業があるか……あるなら、事前組み立てが向いています
- セットの企画がどれくらい入れ替わるか……入れ替わりが激しいなら、構成品単位のほうが柔軟です
- 売れ残ったときにどうするか……解体して単品に戻す前提なら、最初から組まないほうが手間が少なくなります
実際には、両方を併用している事業者様も多くあります。定番のギフトセットは事前に組み、期間限定のまとめ買いセットは出荷時に分解する、という使い分けです。
受注管理システムとの連携で注意すること
構成品単位で在庫を持つ場合、注文データを倉庫側に渡すときにセット品番のままか、構成品に展開された状態かが問題になります。
セット品番のまま渡されると、倉庫側は「知らない品番」として扱うことになります。受注管理システム側で構成品に展開して出力できるかどうかを、連携前に確認しておくと安心です。
CROSSMALLをお使いの場合の具体的な設定方法は、CROSSMALLのセット商品連携でご説明しています。
よくあるご質問
セットの中に1点でも欠品があるとどうなりますか
構成品単位で引き当てるため、1点でも足りなければその注文は引当できません。逆にいえば、出荷してから中身が足りないことに気づく事態を防げます。欠品として抽出されるので、入荷を待つのか、代替品にするのかを事前に判断できます。
ピッキングリストはどう出ますか
構成品ごとに、それぞれの棚番で出力されます。作業者はセットであることを意識せず、通常の複数点の注文と同じように集めれば済みます。
納品書にはセット名で表示できますか
構成品に分解したデータからは、セットとしての販売価格が失われるため、納品書は受注管理システム側で発行するのが確実です。倉庫側はピッキングリストと検品を担当する、という分担になります。
まとめ
- 単品でも販売しているセット商品は、構成品単位で在庫を持つほうが整合が取れる
- 専用梱包や組み立て作業があるものは、事前に組んで在庫化するほうが現実的
- どちらか一方に統一する必要はなく、商品ごとに使い分けてよい
- 受注管理システムから構成品に展開して渡せるかを、連携前に確認しておく
