在庫管理を始めるときに、まず有効なのがロケーション(棚番)を作ることです。棚に住所を与えるだけで、どの商品がどこに何個あるのかが視覚的に分かるようになります。
ただし、ロケーション管理はやり方を間違えると逆効果になることがあります。
この記事では、実際にあった事例をもとに、フリーロケーション運用でつまずきやすい点をご説明します。
フリーロケーションは「何を入れてもよい」
ロケーション管理には、固定ロケーションとフリーロケーションの2つの考え方があります。
- 固定ロケーション……商品と棚を一対一で決めておく
- フリーロケーション……棚の場所は固定したまま、そこに入れる商品は限定しない
フリーロケーションでは、1つの棚に複数の商品が混在していても構いません。空いている場所から順に使えるため、保管効率が上がります。商品数が増えても棚を組み替える必要がありません。
ところが、この自由さが落とし穴になることがあります。
1日1件のクレームが続いていた現場
あるお客様から、こんなお話をうかがいました。
「1日に1度は、お客様から『商品が違う』というご連絡が入る」
出荷件数から考えても、1日1件は多すぎます。何か構造的な原因があるはずだと考えて、実際の倉庫を確認させていただきました。
すると、同じ品番の色違いが、1つのロケーションにまとめて入っていました。
しかも、その色というのが赤・ピンク・マゼンタ。まったく違う色ならまだしも、隣り合わせで置かれていると、パッと見ただけでは判別が難しい並びです。
ピッキングリストに「ピンク」と書かれていても、棚の前で3色が並んでいれば、間違えて赤を取ってきてしまう可能性は十分にあります。品番も似ていますし、見た目も似ています。
ロケーションは「はっきり分ける」
フリーロケーション運用で気をつけたいのは、何を入れてもよいことと、何を一緒に入れてもよいことは違うという点です。
この現場では、ロケーションを細かく分けて1ロケ1色にすることを提案しました。棚の区画を小さく取り直し、色ごとに分けるだけで、取り違えの余地がなくなります。
混在させないほうがよい組み合わせの例です。
- 同じ商品の色違い……特に近い色調のもの
- 同じ商品のサイズ違い……パッケージが同一で表記だけが違うもの
- 型番が1〜2文字しか違わない商品
- 同じシリーズの香り違い・味違い……パッケージデザインが共通のもの
- 新旧パッケージが混在する商品
逆に、まったく形状の違う商品どうしであれば、同じ棚に入っていても問題は起きにくくなります。
バーコード検品との組み合わせ
出荷検品でバーコードを照合していれば、色違いを取ってきても出荷前に弾かれます。その意味では、誤出荷そのものは防げます。
ただし、弾かれるということは、棚に戻って取り直すということです。1日に何度も発生すれば、それ自体が作業のロスになります。
ロケーションの分け方は「間違えても止められるか」ではなく、「そもそも間違えにくいか」という観点で設計しておくと、現場の負担が減ります。
ほかにも注意したい点
1つの棚に入れすぎない
棚が奥深いと、手前の商品しか見えません。奥に別の商品が眠っていることに気づかず、在庫差異の原因になります。
同じ商品を複数のロケに分散させすぎない
フリーロケーションでは同じ商品が複数の棚に分かれることがありますが、分かれすぎるとピッキングの移動距離が伸びます。定期的に集約する運用を入れておくとよいでしょう。
棚番のラベルが読める状態を保つ
商品を詰め込みすぎてラベルが隠れる、台車が当たって剥がれる。こうした状態を放置すると、スキャンできない棚が増えていきます。
効果が出ていないと感じたら
ロケーション管理は在庫管理に欠かせない手法ですが、導入したのに効果が出ていないと感じる場合、棚の分け方に原因があることが少なくありません。
ゼータロジではロケーションの数に上限を設けていないため、細かく分け直すことに費用はかかりません。現場を拝見して一緒に改善方法を考えることもできますので、お気軽にご相談ください。
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