ロケーション管理とは?固定とフリーの使い分け・番号の決め方・マップの作り方

ロケーション管理とは、倉庫内の棚一つひとつに住所を割り当て、どの商品がどこに何個あるかを管理する方法のことです。在庫管理では保管場所のことを一般に「棚」または「ロケーション」と呼びます。

在庫管理というと数量を合わせることだと考えられがちですが、実務で出荷を止めるのは数量よりも「ありか」の問題です。

実際にあった話です。セールに出していた商品の注文が入ったのに、その商品が倉庫内で見つからない。結局お客様に電話をしてキャンセルしていただくことになり、後日まったく別の場所の段ボールから出てきた——。

このケースでは数量は把握できていました。把握できていなかったのは保管場所です。売り逃しの多くは、数が合わないのではなく場所が分からないことで起きています。

ロケーション管理の2つの方式

保管場所の決め方には、固定ロケーションとフリーロケーションの2つがあります。

固定ロケーション:商品ごとに置き場所を決める

「この商品は必ずこの棚」とあらかじめ決めておく方式です。品番=棚番号というイメージで、品番Aは棚1-1、品番Bは棚2-1、というように固定します。

最もシンプルな管理方法で、その商品の在庫が0になっても棚はその品番のために維持されます。

メリットは、棚を見れば在庫切れが一目で分かること、そして出庫時にロケーションから直接摘み取るだけで済むことです。品番順のピッキングリストとの相性がよく、慣れれば非常に速く回せます。

デメリットは保管効率です。在庫がない期間もその空間は空いたままで、他の商品を置けません。

さらに、入荷数が多くて棚1-1に収まらない場合が問題になります。品番Aは棚1-1と決まっているため、原則として別の棚に置くことができず、あふれた分の置き場に困ります。

フリーロケーション:空いている棚に自由に入れる

品番と棚を固定せず、空いている場所に入れて「入れた場所を記録する」方式です。

棚1-1に品番Aと品番Bが同居していてもよく、棚1-1がいっぱいなら品番Aを棚1-2にも置けます。1つの商品が複数の棚に、1つの棚に複数の商品が存在する状態を許容する考え方です。

メリットは保管効率です。固定ロケーションの弱点だったスペースのロスがなくなり、同じ倉庫により多くの在庫を収められます。入庫作業も、空いている棚にどんどん入れるだけなので速くなります。

デメリットは、場所を人の記憶で追えなくなることです。ピッキングのたびに「その商品がどの棚にあるか」をシステムに教えてもらう必要があり、棚に複数商品が混在するため、正しい商品を取ったかの確認も欠かせません。

つまりフリーロケーションは、在庫管理システムとバーコード検品とセットで初めて成立する方式です。逆に言えば、そこさえ揃えば商品数が増えても棚を組み替える必要がなくなります。

どちらを選ぶべきか

判断の目安は次のとおりです。

  • 商品数が少なく、入れ替わりも少ない:固定ロケーションで十分です。システムがなくても運用できます
  • 商品数が多い、季節商材で入れ替わりが激しい、保管スペースに余裕がない:フリーロケーションが向きます
  • 両方の性格の在庫がある:定番品だけ固定、その他をフリーにする併用も可能です

EC・通販の自社出荷倉庫では、取扱商品が増え続ける前提になるため、フリーロケーションを選ぶケースが多くなります。

ロケーション番号の決め方

ロケーション番号は、倉庫を歩く順序がそのまま番号の順序になるように設計するのが基本です。

よく使われるのは、階層を区切って組み立てる方式です。

A - 03 - 2 - 1
│    │    │   └ 間口(左から何番目か)
│    │    └── 段(下から何段目か)
│    └─────── 列(通路の何番目の棚か)
└──────────── エリア(ゾーン・通路)

設計時のポイントは3つあります。

  • 桁数を揃える:3ではなく03と書く。桁がずれると並べ替えたときに順序が崩れます
  • 将来の増設分を空けておく:番号を詰めて振ると、棚を1本足しただけで全面付け替えになります
  • 紛らわしい文字を避ける:0とO、1とI、2とZは読み間違いのもとです

番号を決めたら、棚にバーコードシールを貼ります。作り方は棚番とは?決め方とバーコードシールをExcelで自作する方法で解説しています。特別な機材は不要で、Excelとバーコードフォントがあれば自作できます。

ロケーションマップの作り方

番号を振ったら、倉庫を上から見た配置図——ロケーションマップを1枚作っておきます。

作り方は難しくありません。方眼紙やExcelのセルを棚に見立て、通路と棚の位置関係をそのまま描き、各棚にロケーション番号を書き込むだけです。

これを倉庫の入口と作業台に貼っておくと、新人が入った初日から自力でピッキングに行けるようになります。

あわせて、ピッキングリストの出力順をこのマップの動線と一致させておくと効果が倍増します。リストの上から順に取っていけば、通路を一方向に歩くだけで集め終わる状態が理想です。

運用を続けるためのポイント

ロケーション管理は、作るよりずれないように維持することのほうが難しい仕組みです。

  • 棚を移動したら必ず記録する:現物だけ動かしてデータを直さないと、その瞬間から在庫は行方不明になります。ハンディでスキャンして移動を記録するのが確実です
  • 棚単位で少しずつ棚卸する:全数を一度に数える必要はありません。棚ごとの部分棚卸を日常に組み込めば、差異が小さいうちに見つかります
  • 仮置き場もロケーションにする:「とりあえずここ」の場所こそ番号を振っておく。管理外の場所が、行方不明在庫の発生源です

ゼータロジではフリーロケーションによる棚管理を推奨しており、ロケーションの作り方に制限はなく、数の上限もありません。ロケ移動もハンディターミナルでのスキャンで記録できます。

棚の作り方の具体的な手順はロケーションの作り方(フリーロケーション)を、機能面はフリーロケーションの機能ページをご覧ください。

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