メーカーや工場から商品を仕入れるとき、よく発生するのが分納です。
50個の入荷予定に対して、今回届いたのは30個。残りの20個は後日発送。在庫を扱っていれば、日常的に起こることです。
この分納の扱い方が、在庫管理の精度と現場の手間を大きく左右します。
従来のやり方と、その問題点
多くの倉庫管理システムでは、次のような扱いになっていました。
- 50個の予定に対して30個が入荷したので、その伝票は「完了」とする
- 残りの20個については、新しい入荷予定伝票を手作業で作る
この方法には、いくつも問題があります。
- 伝票の関連性が切れる……元の発注とのつながりが分からなくなります
- 手作業が発生する……品番、数量、仕入先を改めて入力することになります
- 入力ミスが混ざる……転記である以上、避けられません
- 作り忘れる……忙しいときに後回しにすると、残りの20個は誰の記憶にも残りません
最後の「作り忘れ」が、実務ではいちばん厄介です。入ってくるはずの在庫が、システム上どこにも存在しない状態になります。欠品の判断も、発注の判断も狂います。
未入荷伝票を、ボタン一つで作る
ゼータロジでは、入荷完了後に予定と実績の差がある伝票を検索し、未入荷分の伝票をボタン一つで作成できる機能を用意しています。
先ほどの例であれば、50個の予定に対して30個の実績。未入荷伝票の作成ボタンを押すと、残りの20個だけが明細に自動的に表示されます。
入力するものはありません。品番も数量も仕入先も、元の伝票から引き継がれます。
残数が見えていることの意味
分納の残数が伝票として残っていると、次の判断ができるようになります。
欠品対応の判断
注文が入ったものの在庫が足りない、というとき。「あと20個が入荷予定」と分かっていれば、お客様に納期をご案内できます。分からなければ、キャンセルの連絡をすることになります。
発注の判断
すでに入ってくる予定のある在庫を、重ねて発注してしまう。これは過剰在庫の典型的な発生パターンです。未入荷分が見えていれば防げます。
仕入先とのやり取り
「あの発注、残りはいつ入りますか」という確認も、伝票を見ながらできます。記憶やメールの履歴を探す必要がありません。
入荷時に確認したい4つのこと
分納に限らず、入荷検品では次の4点を確定させておくと、その後の在庫精度が変わります。
- 頼んだ商品が届いているか……仕入先側の出荷ミスもあります
- 数量は合っているか……箱数だけ数えて中身を数えていないケースは珍しくありません
- 頼んでいない商品が混ざっていないか……検品で弾かなければ、そのまま棚に入ります
- ロットや期限は何か……食品や化粧品では、後の先入れ先出しに効いてきます
バーコードでスキャンしながら受け入れれば、この4点が同時に確定します。分納の残数も、実績との差として自動的に算出されます。
細かい機能ですが、効いてきます
分納の伝票作成は、機能一覧のなかでは目立たない項目です。しかし毎日発生する作業であり、1回あたり数分の手間が、月に何十回も積み重なります。
ゼータロジの機能の多くは、こうした現場のつまずきから生まれています。「この作業が面倒です」というご相談は、いつでもお寄せください。
分納が発生しやすい場面
どのような取引で分納が起きやすいかを整理しておくと、運用の設計がしやすくなります。
- メーカー直の仕入れ……生産のロット単位で出荷されるため、まとまった数量が分割されます
- 海外からの輸入……船便と航空便に分かれる、通関の都合で遅れるなど
- 人気商品の入荷……仕入先側でも在庫が不足しており、確保できた分だけ先に送られてきます
- 季節商材の先行手配……納期を分散させて倉庫の負荷を平準化する場合もあります
いずれの場合も、「発注した数」と「入ってきた数」の差を追い続けられるかが要点になります。
入荷予定が見えると、判断が変わります
未入荷の残数が伝票として残っていると、在庫が足りない場面での対応が変わります。
- 納期を案内できる……「来週入荷予定です」とお伝えできれば、キャンセルを避けられることがあります
- 予約販売の判断ができる……入ってくる数が分かっていれば、受注を受けられます
- 重複発注を防げる……すでに手配済みの分を、もう一度発注してしまうことがなくなります
欠品は、機会損失であると同時に信用の問題でもあります。「いつ入るか分からない」と「来週入ります」では、お客様の受け取り方がまったく違います。
