バーコード・QRコード・ICタグの違い|在庫管理でバーコードが選ばれる理由

倉庫で商品を識別する方法には、いくつかの選択肢があります。バーコード、QRコード、ICタグ、OCR、画像認識。どれも「これは何の商品か」を機械に判定させる技術です。

そのなかで、市場に流通する商品のほとんどが採用しているのはバーコードです。技術としては最も古い部類に入るにもかかわらず、いまも主流であり続けています。

この記事では、それぞれの方式の違いと、在庫管理でバーコードが選ばれ続ける理由を整理します。

商品を識別する5つの方法

一次元バーコード

縦線の太さと間隔で数字や文字を表す方式です。JANコードが代表例で、店頭の商品にはほぼ必ず印字されています。読み取り機が安価で、印刷も普通のラベルプリンタでできます。

QRコード(二次元コード)

縦横の両方向に情報を持たせる方式です。バーコードより多くの情報を格納でき、一部が汚れても読み取れる誤り訂正の機能があります。小さな面積に印字できるのも利点です。

ICタグ(RFID)

電波でタグの情報を読み取る方式です。1つずつスキャンする必要がなく、箱の中身をまとめて読み取れる点が決定的に違います。アパレルの店舗棚卸などで普及が進みました。

OCR(文字認識)

印字された文字をカメラで読み取って文字データに変換します。専用のコードを貼れない場合や、既存の帳票を読み取る用途で使われます。

イメージスキャン(画像認識)

商品の外観そのものを画像として照合します。コードを付けられない商品にも使えますが、似た形状の商品が多い倉庫では精度の確保が難しくなります。

なぜ、いまもバーコードが主流なのか

理由は、導入と運用のコストにあります。

  • 印刷が安い……市販のラベルシールと普通のプリンタで発行できます
  • 読み取り機が安い……ハンディターミナルはもちろん、パソコンに接続するスキャナやスマートフォンでも読めます
  • すでに商品に付いている……JANコードが印字済みの商品なら、貼る作業すら不要です
  • 壊れない……電池も電子部品も不要で、印刷されていれば読めます

ICタグは能力の面では優れていますが、タグ1枚あたりの単価と、読み取り機器の価格がバーコードとは比べ物になりません。単価数百円の商品を大量に扱う通販では、費用対効果が合わない場面が多くあります。

バーコードの「情報量の限界」をどう補うか

一次元バーコードに格納できるのは、せいぜい十数桁の数字や文字です。商品名、色、サイズ、価格、賞味期限をすべて詰め込むことはできません。

ではどうするか。答えは問い合わせ方式です。

バーコードには短い識別番号だけを持たせ、その番号をキーにしてサーバー側の商品情報を参照します。バーコードは「鍵」であり、情報の本体はシステムの中にあるという考え方です。

この方式であれば、商品名が変わっても、価格が変わっても、ラベルを貼り替える必要はありません。マスタを直せば済みます。情報量の限界は、ネットワークにつながっていることで解決されているわけです。

逆にいえば、QRコードやICタグが持つ「単体で多くの情報を持てる」という利点は、常時接続が前提の環境では優先度が下がります。

在庫管理で本当に必要なのは「紐付け」

識別方式の議論より、実務で効いてくるのは別の点です。スキャンした結果を、何と結び付けて記録するか。

商品のバーコードを読むだけでは、「その商品が存在する」ことしか分かりません。棚番と結び付ければ在庫の場所が確定し、出荷伝票と結び付ければ検品になり、箱番号と結び付ければ中身の明細になります。

ゼータロジには、この考え方をそのまま形にした明細スキャンという機能があります。棚や箱の単位でスキャンして中身の明細を作り、記録として残す使い方です。

  • 棚ごとにスキャンして、記録と照合すれば棚卸になります
  • 入荷した箱の中身をスキャンして、発注内容と照合できます
  • 出荷前の梱包内容を記録しておけば、問い合わせがあったときに確認できます

特別な機器を追加しなくても、いまあるバーコードと読み取り機の組み合わせで、記録の精度を上げられます。

よくあるご質問

商品にバーコードが付いていません。どうすればよいですか

自社で発行できます。インストアコードと呼ばれる自社管理用のコードを作り、市販のラベルシールに印刷して貼れば、その日からバーコード運用を始められます。ハンドメイド品や小分け品、海外からの仕入れ品でよく使われる方法です。

メーカーのJANと自社コードを併用できますか

1つの商品に複数のバーコードを登録できるシステムであれば併用できます。仕入先によって付いているコードが違う場合でも、同じ商品として扱えます。

ICタグへの移行を検討したほうがよいですか

棚卸に膨大な時間がかかっている、1点ずつのスキャンが物理的に難しい、といった事情があれば検討する価値があります。ただし多くの通販倉庫では、バーコード検品と部分棚卸の組み合わせで十分に成果が出ます。まずは現在の作業のどこに時間がかかっているかを測ってみることをおすすめします。

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