30年近い営業の経験のなかで、いくつもの物流倉庫会社と出会ってきました。
物流倉庫会社の仕事は、預かった商品を保管し、指定された先へ正確に出荷することです。この基本は、昔もいまも変わりません。
ただ、同じ仕事をしていても、規模によって管理の方法はまったく違います。この記事では、そこで見えてきたことを整理します。
大手と中小で、システム投資額は桁が違う
大きな会社ほど、システムにかける金額は大きくなります。数千万円から、億を超える規模の投資をされている会社もあります。
一方、中小の倉庫会社では、Excelで在庫を管理されているところもあります。紙の台帳が現役という現場もあります。
この差はどこから来るのか。いくつかの要因はありますが、私は扱う物流量の違いがいちばん大きいと考えています。
物量が少なければ、簡単な管理で回る
扱う点数と件数が少なければ、人の記憶も含めた簡単な管理で十分に業務は回ります。
むしろ、システムを入れるほうが遅くなることすらあります。データを入力する手間より、担当者が覚えているほうが速いからです。
これは、決して遅れているという話ではありません。規模に見合った方法を選んでいるだけです。
問題は、境目にあります
難しいのは、その中間にいるときです。
物量が増えて、記憶と手作業では回らなくなってきた。けれども、数千万円のシステムを導入できる規模でもない。この境目にいる会社が、いちばん苦しい状況に置かれます。
兆候としては、次のような形で現れます。
- ベテランが休むと、その日の出荷が滞る
- 棚卸のたびに差異が出るが、原因が追えない
- 「在庫がありませんでした」という連絡が増えてきた
- 新しく入った人が、戦力になるまでに時間がかかる
- 繁忙期に人を増やしても、思ったほど処理量が上がらない
どれも、いきなり業務が止まるほどの問題ではありません。だからこそ、対処が後回しになりやすいという性質があります。
大手向けのシステムを小さくしても、合わない
この境目の規模に、大手向けの高機能なシステムを縮小して当てはめようとすると、うまくいかないことがあります。
理由は、機能の多さがそのまま覚えることの多さになるためです。
専任のシステム担当者を置ける規模であれば、多機能であることは強みになります。しかし、現場のスタッフが日々の作業のあいまに操作を覚える環境では、選択肢が多いこと自体が負担になります。
逆に、簡易的な在庫アプリでは、ロケーション管理や検品といった倉庫の実務に足りません。
「ちょうどいい」を作る
ゼータロジが想定しているのは、まさにこの境目にいる事業者様です。月間出荷500〜3,000件程度、自社倉庫で自社スタッフが出荷されている規模になります。
設計の考え方としては、次のようにしています。
- 覚えることを減らす……入荷と出荷の2つを覚えれば、ほぼすべての機能が扱えるようにする
- 倉庫の中に集中する……受注管理は既存のシステムと役割分担する
- 費用の見通しを立てやすくする……出荷が増えても料金が変わらない定額制にする
大手向けの高機能なWMSでもなく、簡易的な在庫アプリでもない。その間を埋めることが役割だと考えています。
規模が違えば、正解も違う
大手には大手に合った仕組みがあり、小規模には小規模に合ったやり方があります。どれが優れているという話ではありません。
大切なのは、いまの物量に対して、いまの管理方法が合っているかどうかです。合わなくなってきた兆候が出ているなら、そのときが見直しの時期ということになります。
1日3,000件を超えるような規模や、荷主別の請求管理が必要な3PL業務については、ゼータロジの範囲を超える部分もあります。その場合は正直にお伝えしています。
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