物流倉庫を見せていただくと、まず目につくのが印刷物の多さです。
入荷には入荷リスト、返品には返品リスト、出荷にはピッキングリストと検品リスト、そして納品書と送り状。1件の出荷が完了するまでに、何枚もの紙が現場を行き来します。
この記事では、倉庫でなぜ紙が増えるのか、そしてどこから減らせるのかを整理します。
プリンタにかかっている費用は、意外と大きい
倉庫で使う帳票にはバーコードが印刷されます。インクジェットプリンタではにじみが出て、スキャンできないことがあるため、レーザープリンタを導入されるケースが多くなります。
ただし業務用の機種は高額なので、小規模オフィス向けの安価なタイプを選ばれることがよくあります。
ここに落とし穴があります。倉庫での印刷量は、オフィスの想定を大きく超えます。1年も使えば調子が悪くなるほどの稼働になり、トナー代も継続的に発生します。
プリンタ本体、トナー、用紙、そして紙詰まりの対応にかかる時間。個々は小さくても、合計すると無視できない金額になります。
なぜ紙が必要とされてきたのか
倉庫の紙には、それぞれ理由があります。
- 持ち歩ける……棚の前で確認できる。端末の充電を気にしなくてよい
- 書き込める……どこまで集めたかをチェックできる
- 複数人で共有できる……渡せば作業が引き継がれる
- 証跡が残る……あとから確認できる
単純に「紙をなくせばよい」という話ではありません。紙が担っている役割を、別の形で満たせるかどうかが論点になります。
まず減らせるのは「重複している紙」
ペーパーレスというと端末の導入を思い浮かべますが、その前にできることがあります。同じ情報が複数の紙に印刷されていないかを確認することです。
ピッキングリストと納品書
この2枚は、載っている情報がかなり重なります。商品名と数量は共通で、違うのは棚番が入るかどうかと、価格が入るかどうかだけです。
ゼータロジでは、この2つを1枚にまとめたハイブリッド納品書を用意しています。ピッキングに使った紙をそのまま同梱するため、作業が終わったときに手元に紙が残りません。
検品リスト
バーコード検品を導入すると、検品用の紙は不要になります。照合するのは端末の画面であり、結果はシステムに記録されるためです。
入荷リスト
入荷検品をハンディターミナルで行えば、こちらも紙が不要になります。発注データと照合しながら受け入れられるため、印刷して突き合わせる工程がなくなります。
紙を減らすと、何が変わるか
費用が減ることだけが効果ではありません。
- 探す時間がなくなる……作業台に紙が積み上がると、目的の1枚を探すことになります
- 取り違えが減る……複数件分の紙が混在しなければ、テレコ出荷の余地が減ります
- 進捗がリアルタイムで見える……紙の束を数えなくても、画面で残件数が分かります
- 印刷待ちがなくなる……朝いちばんの印刷待ちは、意外と長い時間です
特に3つ目は、管理する立場から見た変化が大きい部分です。倉庫まで行かなくても、いまどこまで進んでいるかが分かります。
すべてをなくす必要はありません
一方で、紙のほうが向いている場面もあります。
- 1件あたりの点数が非常に多く、書き込みながら進める必要がある
- 複数人で分担して集め、紙で引き継ぐ運用になっている
- 端末の台数が足りず、全員に行き渡らない
こうした場合は、無理に紙をなくすとかえって効率が落ちます。減らす紙と残す紙を分けて考えるほうが現実的です。
ゼータロジでは、ピッキングリストの形式を4種類から選べます。書き込みが必要な現場は別々に出力し、点数の少ない現場はハイブリッド納品書1枚で完結させる、といった使い分けができます。
始め方
いきなり全工程を変える必要はありません。次の順で見直すと、負担が少なく進められます。
- いま印刷している帳票をすべて並べ、1件の出荷で何枚使っているかを数える
- 情報が重複している帳票を見つける
- 検品を紙から端末に置き換える
- ピッキングリストと納品書を統合できるか検討する
1の作業をするだけでも、思っていたより多くの紙が動いていることに気づかれるはずです。
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