ハイブリッド納品書はどう生まれたか|ピッキングリストを納品書として使う

「ピッキングリストを納品書にできないの?」

これは、お客様から直接いただいたご要望です。一見すると単純な話に思えますが、実装するには乗り越えなければならない構造上の問題がありました。

この記事では、なぜ2つの帳票を1枚にまとめるのが難しいのか、そしてどう解決したのかをご説明します。

納品書をピッキングリスト代わりに使う

物流の現場では、納品書を見ながら商品を集め、そのまま梱包箱に同梱するという運用が古くから行われてきました。日本の伝統的なピッキング方法といってもよいと思います。

紙が1枚で済み、集める作業と同梱する作業がつながっている。無駄がありません。

送り状発行システムにも、納品書とピッキングリストをA4用紙1枚に印刷する機能があります。ただしこれは1枚の紙に2つの帳票が並んで印刷される形で、それぞれは別の表です。

冒頭のご要望は、そうではなく「1つの表で両方を兼ねられないか」というものでした。

ピッキングリストに必要なのは、棚番の情報

ピッキングリストで重要なのは、品番・品名・数量だけではありません。その商品がどの棚にあるのかという情報です。

棚番がなければ、経験の浅いスタッフは倉庫を探し回ることになります。棚番が印字されていれば、その場所に行くだけで商品にたどり着けます。

一方、納品書はお客様に見せる書類です。倉庫の棚番が印字されていても意味がありませんし、同じ商品は1行にまとまっている必要があります。

フリーロケーションでは、行が割れる

ここに構造上の問題があります。

フリーロケーション管理では、同じ商品が1か所の棚にあるとは限りません。入荷のタイミングや棚の空き状況によって、隣の棚や上下の段に分かれて保管されることがあります。

たとえばある商品を5個ピッキングする場合、

  • 棚A-01-02 から 3個
  • 棚A-03-01 から 2個

という指示になります。ピッキングリストとしては、この2行に分かれていなければ現場が動けません。

ところが納品書としては、同じ商品が2行に分かれていては困ります。お客様から見れば1つの商品を5個買っただけであり、棚が分かれている事情は関係ありません。

この「1行でなければならない」と「複数行でなければならない」の衝突が、2つの帳票を1枚にできない理由でした。

ハイブリッド納品書

試行錯誤の末、商品としては1行で表現しながら、その中で複数の棚番と数量が分かるレイアウトにたどり着きました。

この帳票を、ハイブリッド納品書と名付けています。ピッキングリストとしても納品書としても使える1枚です。

開発としては簡単ではありませんでしたが、現場の作業がひとつながりになりました。

目的は「紙を残さない」こと

そもそもこのご要望の本当の目的は、出荷が終わったときに庫内に紙が残らないようにすることでした。

実際の流れはこうなります。

  1. 出荷データを引当すると、ハイブリッド納品書が印刷できる
  2. 同時に送り状用のCSVデータを出力し、送り状発行システムで配送伝票を印刷する
  3. ハイブリッド納品書と配送伝票をピッキング担当者に渡す
  4. 商品を集め、ハンディターミナルで出荷検品する
  5. 梱包箱に商品とハイブリッド納品書を入れて封をする
  6. 配送伝票を貼り付ける

作業が終わったとき、手元に紙は残っていません。ピッキングリストを捨てる工程も、あとから納品書を印刷する工程も不要になります。

ネクストエンジンやCROSSMALLをお使いの通販事業者様から、この帳票についてご好評をいただいています。

紙が減るだけではない効果

副次的な効果として、作業の差し間違いが減りました。

従来は、納品書を出荷完了後に印刷する運用が一般的でした。この場合、ピッキングリストと納品書が別のタイミングで生まれるため、突き合わせる工程が必要になります。

ハイブリッド納品書では、引当の時点で1枚が生まれ、その紙が作業者と一緒に最後まで動きます。ピッキング → 検品 → 同梱 → 梱包 → 送り状貼付 → 出荷場という流れが、途中で紙を持ち替えることなくつながります。

よくあるご質問

納品書を同梱しない運用なのですが、意味がありますか

その場合は通常のピッキングリストで問題ありません。ゼータロジでは用途に応じて帳票を選べます。得意先別ピッキングリスト、納品書、ピッキングリスト+納品書、ハイブリッド納品書の4種類から選択できます。

ピッキングリストに書き込みをする運用です

書き込んだ紙をお客様に同梱するわけにはいきませんので、その場合は別々に出力するほうが向いています。詳しくはピッキングリストと納品書を別々に同時出力するでご説明しています。

固定ロケーション運用でも使えますか

使えます。固定ロケーションであれば商品と棚が一対一なので、そもそも行が割れる問題自体が起こりません。

ピッキング・出荷について、もっと詳しく

グロス/得意先別/独自のハイブリッド納品書という3種類のリスト、出力順の設計、配送伝票との並び順を揃えてテレコ出荷を防ぐ仕組みまでまとめています。

ピッキングリスト・出荷の機能を見る →

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