自社物流が、またひとつ誕生しました。アパレルと雑貨を扱われている通販事業者様です。
これまでは物流会社に発送を委託されていました。倉庫業務も発送業務も、まったく経験がないところからのスタートです。
この記事では、立ち上げの3日間で何をしたのかを、順を追ってご紹介します。これから自社出荷を検討される方の参考になれば幸いです。
なぜ、自社出荷に切り替えるのか
近年、委託から自社発送へ切り替える通販事業者様が増えています。理由はいくつかあります。
- ECの需要が伸び、出荷量が委託前提の規模を超えてきた
- 自分たちの目で見て、お客様に商品を届けたいという気持ち……同梱物やラッピングの自由度も変わります
- 配送料金の差が縮まった……自社で運送会社と契約しても、コストがそれほど変わらなくなりました
- トラブル時の原因究明に時間がかかる……商品の紛失や誤出荷が起きたとき、外部の倉庫では調査に日数がかかります
- 緊急出荷に柔軟に対応できない……締め時間を過ぎた注文や、当日発送の要望に応えにくくなります
特に後半の2つは、事業が伸びるほど重く感じられる部分です。お客様対応の質を上げようとすると、倉庫が自社にあるかどうかが効いてきます。
1日目:棚に住所を与える
最初にお願いしたのは、ロケーション(棚番)のラベルを棚に貼っていただくことです。
在庫管理の土台は、棚に住所があることです。ここが決まっていないと、商品を入れても「どこに入れたか」が記録できません。
棚番の付け方は、ピッキングで歩く順番に沿って進めます。番号順に歩けば一筆書きになるように貼っておくと、あとの作業がそのまま効率化されます。
2日目:委託倉庫から届く商品を、棚に入れる
委託倉庫から商品が移動してきます。これをバーコードスキャナで読み取りながら、棚に入れていきます。
この作業が、そのまま最初の棚卸になります。何がいくつあるかを確定させながら、どこにあるかを記録していくわけです。
スタッフの方々は、ハンディターミナルを使うのも初めてとのことでした。それでも操作に迷うことはほとんどなく、順調にスキャンが進みました。数日で商品を棚に収めることができています。
棚が足りなくなったときの工夫
作業の途中で、棚が不足する場面がありました。
そこで、移動してきた段ボールに任意の番号をマジックで手書きし、臨時の棚番として扱いました。ゼータロジのロケーションは自由に作れるため、こうした対応がその場でできます。
棚が足りないという理由で作業を止めずに済みました。臨時の棚番は、落ち着いた時期に正式な棚番へロケーション移動すれば、そのまま消えてなくなります。
立ち上げの現場では、想定どおりに進まないことが必ず起こります。止まらない方法を用意しておくことが、実際には重要になります。
3日目:初日の出荷
訪問して3日目、いよいよ出荷業務の開始です。
ここ数日間は受注処理を止めていたため、通常の日より多いオーダーを一度に処理しなければなりません。立ち上げ初日としては、いきなり負荷の高い状況です。
- 受発注システムから受注データを取り込む
- 引当を実行する
- 棚漏れがあった商品は、ハンディターミナルのスキャン機能で在庫計上する
- グロスピッキングリストを印刷し、印字された棚番へ商品を取りに行く
- ピッキング・梱包チームと出荷検品チームに分かれて作業する
- 梱包後、出荷場へ
結果として、この日の18時前に、すべての出荷完了処理を終えることができました。
倉庫業務が未経験のスタッフだけで、しかも通常より多い出荷量を、初日で回しきったことになります。
立ち上げで大切なこと
これまで複数の自社物流の立ち上げに携わってきましたが、共通して言えることがあります。
覚えることを増やさない
初日から全機能を使う必要はありません。入荷と出荷、この2つの流れさえ動けば、倉庫は回り始めます。
止まらない方法を用意しておく
棚が足りない、想定外の商品が届く、時間が押す。立ち上げでは必ず何かが起こります。臨時の棚番のように、その場でしのげる方法があるかどうかで進み方が変わります。
初日は、一緒に立ち会う
ゼータロジでは、立ち上げの現場に足を運んで一緒に作業しています。画面の操作説明ではなく、実際の商品と実際の棚を前にした判断が必要になるためです。
初日の出荷を完了したときの喜びは、何度立ち会っても大きなものです。
自社出荷を検討されている方へ
倉庫業務の経験がないことは、自社出荷に踏み切れない理由にはなりません。実際、未経験のスタッフだけで立ち上げた事例が複数あります。
必要なのは、棚に住所を与えること、バーコードで記録すること、そして最初の数日を一緒に乗り切ることです。
実際の切り替え事例は、導入事例のページでもご紹介しています。
