ゼータロジが担っている役割は、大きく4つあります。
- 入庫と出庫を確実に行う
- 在庫管理を確実に行う
- バーコードによる商品管理を行う
- 注文どおりの出荷を間違いなく行う
この記事では、最後の「注文どおりの出荷を間違いなく行う」を取り上げます。出荷までの工程を分解し、どの段階でバーコードをスキャンすべきかという設計の話です。
出荷までの5つの工程
楽天市場やAmazonから入った注文データをWMSに取り込むところから、出荷までの流れを見てみます。
- 受注データの取込……CSVまたはAPIで注文情報を取り込む
- 引当……どの棚のどの在庫を、その注文に割り当てるかを確定する
- ピッキング……ピッキングリストに従って商品を集める
- 出荷検品……集めた商品が注文と一致するかを照合する
- 送り状の貼付・出荷
それぞれの工程に、ミスが入り込む余地があります。
引当の段階で、事故は構造的に防げる
引当とは、注文に対して在庫を割り当てる処理です。単に「在庫がある」ことを確認するのではなく、どの棚のどのロットを使うかまでを確定させます。
この処理があることで、次のようなことが起こらなくなります。
- 同じ在庫を2つの注文に割り当ててしまう
- 在庫があると思って出荷準備を進めたら、実際にはなかった
- 先に処理した注文と後の注文で、在庫の取り合いになる
引当ができなかった注文は、欠品として抽出されます。出荷できない注文が、出荷作業の列に混ざらないという状態を作れます。
ピッキング時にスキャンしない、という設計
ここからが、ゼータロジの設計上の特徴です。
数十年前のWMSでは、ピッキングのときにもバーコードをスキャンし、出荷のときにもスキャンするのが一般的でした。二重に確認するという考え方です。
ゼータロジは、ピッキング時のバーコードスキャンを必須にしていません。理由は2つあります。
理由1:ピッキング作業の効率
棚の前で1点ずつスキャンする動作は、積み重なると無視できない時間になります。1日数百件の出荷であれば、その分だけ作業時間が増えます。
理由2:梱包時のスキャンのほうが確実
ピッキング時にスキャンして正しく集めたとしても、梱包の段階で入れ間違えれば誤出荷になります。最後の工程を通過するものが、実際にお客様へ届くものです。
逆にいえば、ピッキングで間違った商品を持ってきたとしても、出荷検品のスキャンで確実に弾かれます。最後に一度、確実に止める。これで十分に防げます。
二重チェックが、かえって危ないことがある
ピッキング時と出荷時の両方でスキャンしている場合、次の心理が働きやすくなります。
- ピッキング担当「出荷のときに気づいてくれるだろう」
- 出荷担当「ピッキングでスキャンしているから大丈夫だろう」
自動車教習所で習う「だろう運転」と同じ構図です。確認する人が増えるほど、一人あたりの責任感は薄まります。
チェックポイントを増やすことと、精度が上がることは同じではありません。どこで確実に止めるかを1か所決めて、そこを徹底するほうが、結果として精度は上がります。
ピッキング時にもスキャンしたほうがよい場合
とはいえ、例外もあります。次のような場合は、ピッキング段階での記録が有効です。
- 1件あたりの点数が非常に多い……どこまで集めたかを記録しながら進める必要があります
- 複数注文をまとめて集める……グロスピッキングでは、集めた総数の確認が必要です
- 複数のフロアや担当者をまたぐ……工程ごとに責任範囲を確定させたい場合です
- ロット・期限の指定がある……どのロットを取ったかを確定させたい場合です
ゼータロジはピッキング実績のスキャン入力にも対応していますので、必要な現場では使えます。必須にしていないだけで、できないわけではありません。
送り状の貼り間違いは、別の対策が要る
出荷検品で商品の精度が上がっても、残るのが送り状の貼り間違いです。この工程だけは、依然として目視のまま残っていることが多くあります。
送り状に印字されたバーコードをスキャンして照合すれば、この工程も機械の判定に置き換えられます。詳しくはテレコ出荷とは?送り状の貼り間違いが起きる原因と防ぎ方をご覧ください。
まとめ
- 引当の段階で、在庫の重複割り当てや欠品出荷は構造的に防げる
- スキャンは「最後に確実に一度」が基本。工程を増やすほど責任は薄まる
- 点数が多い、工程をまたぐといった条件がある場合は、ピッキング時の記録も併用する
- 送り状の貼付は別工程なので、別の対策が必要になる
ピッキング・出荷について、もっと詳しく
グロス/得意先別/独自のハイブリッド納品書という3種類のリスト、出力順の設計、配送伝票との並び順を揃えてテレコ出荷を防ぐ仕組みまでまとめています。
