在庫管理の本質は、突き詰めればとても単純です。
商品を入れる(入庫)。商品を出す(出庫)。
この2つが正確に記録されていれば、在庫の数は必ず合います。逆にいえば、在庫が合わない現場では、このどちらかが正確に記録されていないということになります。
この記事では、見落とされがちな「入庫」の側に焦点を当てます。
出庫ばかりが注目される理由
WMSの検討を始めるきっかけは、多くの場合が出荷側の問題です。誤出荷が減らない、出荷が間に合わない、探すのに時間がかかる。
出荷はお客様に直接つながる工程なので、問題が表面化しやすいという事情もあります。クレームという形で必ず返ってくるからです。
一方、入荷の問題はその場では表面化しません。数日後、数週間後に、在庫の差異や出荷ミスという別の形で現れます。原因が入荷にあると気づきにくいのは、このためです。
入荷でずれると、その後すべてがずれる
入荷の記録が実物と違っていると、どうなるか。
- システム上は在庫があるのに、棚にない(引当できるのに出荷できない)
- 棚にはあるのに、システム上は在庫がない(売れるはずの商品が売れない)
- 違う商品が棚に入る(ピッキングで正しい棚に行っても、違う商品を取る)
- 棚卸のたびに差異が出て、原因が特定できない
特に3つ目が厄介です。棚番が正しくても、そこに入っている物が違えば、出荷検品まで誤りに気づけません。出荷検品でバーコードを照合していれば止まりますが、そこで初めて発覚するため、出荷が滞ります。
入荷検品で何を確認するか
入荷検品とは、発注した内容と、実際に届いた物を照合する作業です。
- 頼んだ商品が届いているか……仕入先の出荷ミスもあります
- 数量は合っているか……箱数だけ数えて中身を数えていないケースは多くあります
- 頼んでいない商品が混ざっていないか……検品で弾かなければ、そのまま棚に入ります
- ロットや期限は何か……食品や化粧品では、この記録が後で効いてきます
バーコードでスキャンしながら受け入れれば、この4点が同時に確定します。手入力の必要もありません。
実際、入荷検品を導入したお客様から「発注していない商品が届いていることが、検品で分かるようになった」というご報告をいただいたことがあります。それまでは気づかないまま棚に入っていたわけです。
分納(分割納品)への対応
実務でよくあるのが、1回の発注に対して納品が複数回に分かれるケースです。
100個発注して、まず60個が届き、残り40個は後日。この場合、入荷伝票をどう扱うかで運用が変わります。
- 伝票を分けて起こすと、発注との対応関係が分からなくなります
- 1つの伝票で残数を管理できれば、「あと40個未入荷」という状態が可視化されます
ゼータロジでは未入荷伝票として残数を持てるため、何がいつ入ってくる予定なのかが分かる状態を保てます。欠品対応の判断材料にもなります。
棚入れまでを1つの作業にする
入荷検品と棚入れは、切り離さないほうが精度が上がります。
検品だけ先に済ませて、棚入れを後回しにすると、その間の在庫は「入荷したことになっているが、まだ棚にない」という宙に浮いた状態になります。この時間帯に注文が入ると、棚を探しても見つかりません。
商品をスキャンし、棚番をスキャンして格納する。この2つを1つの流れにしておけば、在庫の場所が常に確定します。
入荷したその日に出荷しなければならない商品については、仮のロケーションを用意しておく方法もあります。詳しくはロケーション管理の機能ページでご説明しています。
バーコードのない商品はどうするか
入荷検品をバーコードで行うには、商品にバーコードが必要です。付いていない場合は、この入荷のタイミングで貼ってしまうのが最も効率的です。
どのみち1点ずつ手に取る工程なので、ラベル貼りを組み込んでも追加の手間はほとんど発生しません。以降の出荷検品や棚卸は、すべてこのバーコードで回るようになります。
まとめ
- 在庫が合わない原因は、出庫だけでなく入庫にもある
- 入荷の誤りは、その場ではなく後日、別の形で表面化する
- 入荷検品で「商品・数量・混入・ロット」を同時に確定させる
- 分納の残数を持てると、欠品対応の判断がしやすくなる
- 検品と棚入れを1つの流れにして、在庫の所在を常に確定させる
