無線ハンディターミナルの無線LAN接続(DHCP接続)

通信規格を確認し、セキュリティ方式も合わせた。それでもハンディターミナルが無線LANにつながらない、あるいはつながったように見えるのに通信だけができない

そのときに疑っていただきたいのが、IPアドレスの設定です。

無線LANの接続は「アンテナを見つける」「認証を通る」「IPアドレスを受け取る」という3段階で成立します。最後の段階でつまずくと、電波は届いているのにサーバーエラーが出る、という分かりにくい症状になります。

IPアドレスの自動取得(DHCP)とは

ネットワークにつながる機器には、それぞれ固有のIPアドレスが必要です。住所のようなもので、これが決まらないとデータの行き先が分かりません。

この住所を自動で割り当ててくれるのがDHCPサーバーです。多くの場合、Wi-Fiルーターがその役割を担っています。

スマートフォンをWi-Fiにつなぐとき、SSIDを選んでパスワードを入れるだけで済むのは、この仕組みが働いているからです。「このアドレスを使ってください」とルーターが自動的に貸し出しています。

実はスマートフォンでもIPアドレスの手動設定はできるのですが、自動取得で不都合がないため、ほとんどの方は触ったことがないはずです。

ハンディターミナルで自動取得がうまくいかない場面

無線ハンディターミナルでも、初期設定はほとんどの機種で自動取得になっています。通常はそのままで問題ありません。

ただし、次のような状況では正常にIPアドレスを取得できないことがあります。

  • DHCPの割当数が足りていない……貸し出せるアドレスの数には上限があります。端末が増えると、後から接続した端末が受け取れません
  • 別のセグメントのアドレスを受け取っている……ルーターが複数台ある環境では、意図しない機器から割り当てを受けることがあります
  • 他の機器とアドレスが重複している……固定設定した機器と、自動割り当ての範囲が重なっているケースです
  • リース期間の満了時に再取得できていない……長時間電源を入れたまま放置した端末で起こりがちです

症状としては、「Wi-Fiのアイコンは立っているのに通信できない」「昨日までは動いていたのに今朝だけつながらない」といった形で現れます。

手動設定(固定IP)に切り替える

自動取得が安定しない場合は、ハンディターミナル側でIPアドレスを手動設定するのが確実です。

設定するときの原則は1つだけです。DHCPが自動で配る範囲の外側にあるアドレスを使うこと。ここが重なっていると、あとから接続した別の機器と衝突します。

手順1 ルーターのDHCP割当範囲を調べる

ルーターの管理画面でDHCPの設定を開くと、「192.168.1.100〜192.168.1.199」のような割当範囲が記載されています。この範囲を確認します。

手順2 範囲外のアドレスを決める

上の例であれば、192.168.1.201、202、203……のように、割当範囲より後ろの番号をハンディターミナル用として確保します。台数が複数ある場合は、連番にしておくと管理が楽になります。

どの端末がどの番号かを紙やスプレッドシートに残しておくと、後任の方が困りません。

手順3 サブネットマスク・ゲートウェイ・DNSを合わせる

IPアドレスだけを設定して、他の項目を空欄のままにすると通信できません。

  • サブネットマスク……多くの環境では 255.255.255.0
  • デフォルトゲートウェイ……ルーターのIPアドレス(例:192.168.1.1)
  • DNSサーバー……ルーターのIPアドレス、またはプロバイダ指定のもの

ゼータロジのようなクラウド型のシステムを使う場合、端末はインターネット経由でサーバーに接続します。ゲートウェイとDNSの設定が抜けていると、社内では通信できているのに外に出られないという状態になります。

自動取得と手動設定、どちらを選ぶか

台数が少なく、ネットワーク構成がシンプルであれば、自動取得のままで問題ありません。設定の手間がかからず、ルーターを入れ替えたときも追従します。

一方、次のような場合は手動設定が向いています。

  • ハンディターミナルの台数が多く、繁忙期に増減する
  • アクセスポイントやルーターが複数台ある
  • 過去に「特定の端末だけつながらない日がある」という症状が出たことがある

ルーター側の機能で、端末ごとに常に同じアドレスを配るDHCP予約(固定割当)という方法もあります。端末側は自動取得のまま、実質的に固定IPと同じ運用ができるため、台数が多い環境ではこちらのほうが管理しやすい場合もあります。

よくあるご質問

Wi-Fiにはつながっているのに、サーバーエラーが出ます

IPアドレスは取得できているものの、ゲートウェイやDNSの設定が正しくない可能性があります。端末のネットワーク設定画面で、割り当てられているアドレスを確認してみてください。169.254で始まるアドレスになっている場合は、DHCPからの取得に失敗しています。

朝いちばんだけつながらないことがあります

リース期間の満了と再取得のタイミングが重なっている可能性があります。手動設定またはDHCP予約に切り替えると解消することが多い症状です。

倉庫にネット環境がありません。導入できますか

以前は光回線の引き込み工事から始める必要がありましたが、いまはモバイルルーターでもご利用いただけます。ただし出荷量や端末台数によっては安定性に差が出るため、実際の運用に合わせてご相談ください。

無線LAN接続でつまずく3つのポイント

ハンディターミナルが無線LANにつながらないときは、次の順番で切り分けると原因にたどり着きやすくなります。

  1. 通信規格と周波数帯……そもそもアンテナが見えているか
  2. セキュリティ方式……認証を通過できるか
  3. IPアドレスの設定(この記事)……住所を受け取れているか

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