今から20年ほど前、小さなシステムハウスで営業をしていたころ、あるお客様から言われた言葉があります。
「自分たちがほしいと思うシステムを作ろうとすると、何千万も借り入れしなければならない。システムの代金を払うために物流の仕事をしているようなものだ。」
この一言が、いまのゼータロジの出発点になっています。
特注システムが当たり前だった時代
20年前は、自社仕様の特注システムを作るのが主流でした。
取引先が来社されたときに、自社のシステムを紹介する。「これだけのものを作りましたので、安心してお任せください」と説明する。それが営業として通用する時代でした。
システムは投資であり、投資できることが信用の証でもあったわけです。
その一言が引っかかった理由
「システムの代金を払うために物流の仕事をしている」
物流倉庫会社の仕事は、取引先から預かった商品をきちんと保管し、正確に在庫を管理し、ミスなく出荷することです。
決して、システムの代金を払うために働いているわけではありません。
当たり前のことですが、当時の私はシステムを売る側にいて、その当たり前を意識できていませんでした。仕様と価格の調整に意識が向いていて、そのシステムが会社の経営にとってどういう重さを持つのかまで、十分に見られていなかったのだと思います。
共通点は、思っていたより多い
その後、さまざまな業種の在庫管理を見ていくなかで、あることに気づきました。
業種業態を並べて最大公約数を取ると、倉庫でやっていることには驚くほど共通点が多いということです。
アパレルでも、雑貨でも、食品でも、機械部品でも。入荷して、棚に入れて、注文が来たら探して、検品して、出す。この骨格は変わりません。
違うのは、商品の性質から来る細部です。ロットや期限を管理するか、色とサイズの展開があるか、セット販売をするか。骨格が同じで、細部が違う。であれば、一社ごとに一から作り直す必要はないはずでした。
たくさんの会社で分け合う
そこで考えたのが、多くの倉庫会社・通販事業者が共通して使える仕組みを作り、定額の利用料で提供するという形です。
開発の費用を一社で負担すれば数千万円になりますが、多くの会社で分け合えば、月々の負担はずっと小さくなります。
これは、いまでいうクラウドサービスの考え方そのものです。当時はまだ「クラウド」という言葉すら一般的ではありませんでした。
定額であることの意味
ゼータロジの料金を、出荷件数による従量課金ではなく定額にしているのも、この経験が理由です。
従量課金が悪いわけではありません。小規模なうちは、そのほうが合理的な場合もあります。
ただ、出荷が増えるほど費用が増える形では、事業が伸びたときに費用の見通しが立てにくくなります。「システムの代金を払うために仕事をしている」という感覚を、少しでも減らしたいと考えています。
月額36,000円(税別)の1プランのみ。出荷件数・商品点数・ユーザー数による従量課金はありません。3年後の費用を、いまの時点で計算できます。
倉庫業務支援という名のシステム
システムは、それ自体が価値を生むものではありません。倉庫の仕事が正確に、速く回ることに意味があります。
主役はあくまで現場であって、システムはそれを支える裏方です。支える側の費用が、支えられる側の経営を圧迫するのでは、順序が逆になります。
20年前にいただいた一言は、いまも判断の基準になっています。
