Step1:ロケーションの作り方(フリーロケーション)

売れた商品が、倉庫のどこにあるのか。

取扱商品が少ないうちは、Excelやメモ、あるいは熟練スタッフの記憶で十分に間に合います。システムを立ち上げるより、そのほうが早くて確実な場面すらあります。

ところが商品の種類が増え、入れ替わりが激しくなってくると、記憶に頼る運用は限界を迎えます。そこで必要になるのが、棚に住所を割り振るロケーション管理です。

この記事では、棚番をこれから設計する方に向けて、番号の組み立て方と決めるときの考え方をご説明します。全3回のうちの第1回として、ロケーションの作り方を扱います。

棚に番号を付けると、何が変わるか

棚番を付けて商品と紐付けると、在庫の持ち方が「たぶんこのあたり」から「この棚のこの段」に変わります。

  • 商品を探し回る時間がなくなる
  • 今日入ったばかりのスタッフでも、指示されればたどり着ける
  • ピッキングリストに棚番を印字でき、歩く順番を設計できる
  • 棚卸を棚単位で分割できる

特に大きいのは、作業の属人化が解けることです。「あの人がいないと出荷が回らない」という状態は、棚に住所がないことから生まれている場合が少なくありません。

固定ロケーションとフリーロケーション

ロケーション管理には、大きく2つの考え方があります。

  • 固定ロケーション……商品と棚を一対一で決めておく方法。「この商品はこの棚」と決まっているので覚えやすい反面、在庫が切れている間その棚は空いたままになります
  • フリーロケーション……棚の場所は固定したまま、そこに入れる商品は限定しない方法。空いている棚から順に使えるため、保管効率が上がります

季節商材の入れ替えが多い、商品数が増え続けている、といった倉庫ではフリーロケーションが向いています。一方、定番商品が中心で顔ぶれがあまり変わらない倉庫では、固定ロケーションのほうが分かりやすいこともあります。

どちらを選ぶにしても、棚に番号を振る作業は共通です。使い分けの詳細はロケーション管理の機能ページでご説明しています。

棚番は4つの要素で組み立てる

棚番は、単純に1番から1000番まで通し番号を振っても機能します。ただ、実務では次の4つの要素を組み合わせる方法をおすすめしています。

  1. ……1階、2階、中2階など
  2. エリア……棚の島ごと、あるいはゾーンごと
  3. 縦列……島の中の何本目のラックか
  4. 横列(段)……そのラックの何段目か

たとえば「1-02-A-01」という棚番であれば、1階にある2つ目のエリアのA列、その1段目という意味になります。バーコード化すると、次のようなラベルになります。

棚番バーコードシールの例

この形にしておくと、番号を見た瞬間に場所が分かります。新しく入ったスタッフにも「1階の壁側の棚、A列の1段目にありますよ」と口頭で伝えられます。

数字の羅列だけだと、この「見た瞬間に分かる」がなくなります。棚番は機械のためだけでなく、人のための住所でもあるとお考えください。

桁数と記号を決めるときの注意点

桁数はゼロ埋めで揃える

「1」「2」……「10」と振っていくと、並べ替えたときに 1 → 10 → 2 の順になってしまいます。「01」「02」……「10」のようにゼロ埋めで桁を揃えておくと、この問題が起きません。

ピッキングリストは棚番の順に並びますから、桁が揃っていないと歩く順番そのものが崩れます。後から直すのが最も大変な部分なので、最初に決めておいてください。

区切り記号は入れてよい

「1-02-A-01」のようにハイフンで区切っても問題ありません。人の目で見て分かりやすくするために、区切りはあったほうがよいと考えています。

ただしシステムによっては使用できない文字があります。ゼータロジにも一部の禁止文字がありますので、設計の段階でご相談ください。

増設の余地を残しておく

倉庫は必ず変わります。棚を1本足す、エリアを1つ増やす、中2階を作る。そのときに番号が破綻しないよう、各要素に余裕を持たせておきます。

エリアが3つしかなくても2桁で振っておく、段が4段でも2桁にしておく。この程度の余裕が、数年後の手戻りを防ぎます。

通し番号方式でも構いません

0001から1000まで単純な連番にする方法も、実務では十分に成立します。

ホテルの部屋番号と同じ考え方で、「0001〜0100はこの列」「0101〜0200は次の列」と範囲を決めておけば、番号から場所を推測できます。棚の形がそろっていない倉庫では、むしろこちらのほうが素直な場合もあります。

大切なのは、ルールが1つに決まっていることと、そのルールを紙に残しておくことです。設計した本人以外にも分かる形にしておけば、担当者が変わっても運用は続きます。

ありがちな失敗

  • 商品名や品番を棚番に入れてしまう……フリーロケーション運用に切り替えられなくなります
  • 棚の形状に合わせすぎる……ラックを入れ替えると番号ごと作り直しになります
  • 途中で桁数のルールが変わる……並び順が崩れ、ピッキング動線が乱れます
  • 平置きスペースに番号がない……大型商品や入荷直後の仮置き場にも棚番を用意しておきます

とくに最後の点は見落とされがちです。パレット置き場や通路脇の仮置きスペースにも住所を与えておくと、「棚には入っていないが倉庫にはある」という宙に浮いた在庫がなくなります。

次のステップ

棚番のルールが決まったら、次はそれをバーコードシールにして、棚に貼り付けていきます。

まずは倉庫の中を思い浮かべながら、どんな番号にすると自分たちが分かりやすいかを考えてみてください。図面に手書きで振ってみるだけでも、無理のある部分が見えてきます。

ロケーション管理について、もっと詳しく

固定ロケーションとフリーロケーションの使い分け、ハンディからその場で棚を作れる仕組み、入荷当日に出荷するための仮ロケーションの運用まで、ゼータロジのロケーション管理をまとめています。

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