ペーパーレスは、物流業界に限らず多くの会社で意識されている課題です。裏紙を使う、エコ用紙に変える。それでも、紙の使用量はなかなか減りません。
理由ははっきりしています。紙に印刷して確認するほうが、安心で確実だという感覚が捨てられないからです。
この記事では、倉庫でかかっている紙関連の経費を数字にしてみます。感覚ではなく金額で見ると、判断の材料になります。
年間の紙の使用量を、考えたことがありますか
これまで多くの物流現場を見せていただきましたが、年間にどれだけのOA用紙を使っているかを把握されている会社は、ほとんどありませんでした。
必要だから使う。使えばなくなる。なくなれば買う。この繰り返しなので、合計を計算する機会がないのです。
一度、次の項目を数えてみてください。
- 1件の出荷で、何枚の紙を印刷しているか
- 1日の出荷件数
- 入荷リスト、返品リスト、棚卸リストの枚数
- 用紙の購入額(月間)
- トナーやインクの購入額(月間)
- プリンタ本体の購入額と、買い替えの頻度
1件あたり3枚、1日100件であれば、月に6,000枚を超えます。年間では7万枚以上です。
紙以外にかかっている費用
用紙代だけを見ていると、実際の負担を見誤ります。
プリンタとトナー
バーコードを印刷する帳票では、インクジェットではにじみが出てスキャンできないことがあります。そのためレーザープリンタが選ばれますが、業務用は高額なため、オフィス向けの安価な機種を導入されるケースが多くなります。
倉庫の印刷量はオフィスの想定を大きく超えるため、1年ほどで調子が悪くなることも珍しくありません。トナー代も継続的に発生します。
時間
印刷を待つ時間、紙を仕分ける時間、必要な1枚を探す時間、紙詰まりを直す時間。1日15分でも、年間では60時間を超えます。
廃棄
業務が終わった紙は廃棄します。出荷先の氏名や住所が印字されているものは、シュレッダー処理が必要です。裏紙として再利用するにも、誤って使えば事故につながるため限界があります。
「印刷が必要な工程」を減らす
ペーパーレスというと、紙を画面に置き換えることを思い浮かべます。しかしゼータロジで考えたのは、少し違う切り口でした。
そもそも印刷が必要な工程自体を減らせないか。
検品リストをなくす
バーコード検品を導入している現場では、照合するのは端末の画面です。それなのに、商品の明細を印刷した検品リストも併せて出力していることがあります。
スキャンで照合するのであれば、この紙は不要です。
ピッキングリストと納品書を1枚にする
この2枚は、載っている情報がかなり重なります。1枚にまとめられれば、印刷枚数が半分になるだけでなく、作業が終わったときに手元に紙が残りません。
詳しくはハイブリッド納品書はどう生まれたかでご説明しています。
入荷リストをなくす
入荷検品をハンディターミナルで行えば、発注データと照合しながら受け入れられます。印刷して突き合わせる工程がなくなります。
削減額を試算してみる
1件あたり3枚を1枚に減らせたとします。1日100件なら、月4,000枚、年間で約48,000枚の削減です。
用紙代だけでも一定の金額になりますが、効いてくるのはトナー代とプリンタの寿命です。印刷量が3分の1になれば、消耗品の交換頻度も本体の劣化速度も変わります。
そこに、印刷待ちと紙を探す時間が加わります。金額だけを見ると小さくても、時間まで含めると無視できない規模になります。
すべてをなくす必要はありません
紙が向いている場面もあります。1件あたりの点数が多く、書き込みながら進める必要がある現場では、無理に紙をなくすと効率が落ちます。
ゼータロジではピッキングリストの形式を4種類から選べますので、減らす紙と残す紙を分けて考えることができます。
