実録!こんな在庫管理は嫌だ3|在庫が合わない本当の理由

在庫管理の現場で実際に体験した話、最終回です。

第1回で在庫の記録を作り直し、第2回で数字の裏付けに苦しみ、なんとか監査の当日を迎えました。

そこで監査担当者から言われた一言が、在庫管理の本質を突いていました。

「そりゃ、合わないわけだよ」

倉庫を見た監査担当者の指摘は、こういうものでした。

「部品専用の箱に入れていれば、その箱に何個入るかが決まっている。だから一箱いくつという計算ができるし、大きく違うことはない」

「小さいものなら、一箱いっぱいで何キロかが決まっている。それが野菜や果物の段ボールでは、毎回数えるしかないし、入っている数もばらばらになる」

当時、部品は手近にあった段ボールに入れられていました。白菜の箱、かぼちゃの箱、みかんの箱。入れ物がばらばらということは、単位が存在しないということです。

数えなくても分かる状態を作る

この指摘の要点は、正確に数えろということではありません。

数えなくても分かる状態を、あらかじめ作っておけということです。

1箱に100個入ると決まっていれば、5箱で500個です。1箱の重さが決まっていれば、量って割り出せます。数える作業そのものを減らせるうえに、確認も速くなります。

逆に、入れ物が毎回違えば、毎回1個ずつ数えるしかありません。棚卸に時間がかかる現場は、たいていここに原因があります。

単位を決めるという、地味で効く工夫

通販の倉庫でも、同じ考え方が使えます。

  • 入り数を固定する……1袋10個、1箱で50個。仕入れ時の荷姿をそのまま活かせる場合もあります
  • 入れ物を統一する……同じサイズのコンテナを使えば、目視でも量が推測できます
  • 端数の置き場所を決める……ばら売り分だけ別の棚にまとめると、数えるのはそこだけで済みます
  • 棚の容量を決める……1つの棚に置く上限を決めておくと、あふれた時点で気づけます

いずれもシステムとは関係のない、現場の工夫です。しかしこの土台があるかどうかで、システムを入れたときの効果が変わります。

そのほかの、合わない理由

このとき指摘されなかった問題も、実際にはいくつもありました。

  • 加工前と加工後のものが、同じ箱に混ざっている
  • 検査の済んだものと済んでいないものが区別されていない
  • 入りきらなかった分が、倉庫以外の場所に置かれている
  • 数えないまま箱に入れている

共通しているのは、状態の違うものが、同じ場所に混在していることです。

通販の倉庫でいえば、次のようなものが該当します。

  • 返品されて検品前の商品が、通常在庫と同じ棚にある
  • 不良品・訳あり品が、良品と混ざっている
  • 予約販売分の確保在庫が、通常在庫と区別されていない
  • 撮影用や見本用に持ち出したものが、在庫のままになっている

これらは、棚を分ける、または在庫の区分を分けることで解決できます。ゼータロジには在庫タイプの区分があり、良品・不良品・サンプル品などを分けて管理できます。

3回を通しての結論

在庫が合わない現場には、共通する原因があります。

  1. 記録する場所と、作業する場所が離れている(第1回)
  2. 数量以外の情報が残っていない(第2回)
  3. 数える単位と、置き場所の区分が決まっていない(第3回)

システムを導入すると、1つ目は自動的に解決します。作業した瞬間に記録が残るためです。2つ目も、入荷時に属性を記録すれば解決します。

ただし3つ目は、現場で決めるしかありません。どんなシステムを入れても、入れ物と区分が決まっていない状態は解消されません。

逆にいえば、ここは費用をかけずに今日から着手できる部分でもあります。

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