【前回までのあらすじ】
メーカーから監査がやってくるというのに工場の釜が爆発してしまい、しかしどうしても見つからなかった部品在庫が、社長自宅の寝所から見つかるという、誠に喜ばしいニュースが社内を駆け巡りました。
だがしかし、極まる困難はまさにここからが本番だったのです。
在庫の数字も成分の数字も
不明在庫品を発掘して安心したので、工場で爆発した機械の状況が気になってきました(納期的に)。
そうすると社長から「アルミが土に溢れたから土壌検査があるってよ。役場が出せっていうんだがアルミ材料の成分表ってあるのか」ときます。
「え、あるんじゃないですか?搬入会社からもらってないんですか?」
「しらん」
おいおい。
メーカーには定期的に成分表を作成して送っているはずです。
今回の監査でもチェックが入るはず。
棚をひっかきまわしても出てきません。出てきたのは行かなくてはならないはずの社員の健康診断表(未使用っておい)。
仕方がないので、搬入会社に電話をかけると
「え。え。あ、ちょ、ちょっと待ってもらえますか。えっとファックスですぐ、すぐに送ります。ちょっとお待たせしますけど、え、はい(ガチャっ)」
明らかにキョドッてます。
すぐにと言ったのに、来ません。
夕刻近くに来たファックスは、あきらかに数字がおかしい。
コラってる。
「あの、字がつぶれちゃって読めないのでデータで送っていただけますかね。PDFで良いんで。」
「ピーディーエフ、ありません」
は???(ガチャ ツーツーツー)
血の気が引く音を聞きながら、明日は朝から監査です。
なぜ数が数えられないのか簡単な理由
監査担当にやってきたのは、毎日納期のあれこれで喧嘩をしているいつもの担当者さまでした。泣きたい。
早速、倉庫を見に行きます。掃除はしておいた。エクセルに入力した。数字は合ってる。大丈夫だわたし。
倉庫の扉を開けます。
「あのさ」
「なんでしょう」
「なんで部品入ってるのが白菜の箱とか南瓜の箱なわけ?」
「丈夫だかららしいですよ」
「えっとさ、うちから提供してる専用の箱があるはずなんだけど」
まじかよおおおおおおおおおおおおおおっ
知らんけどそれえええええええええええっ!!!!
大奥様が絶対権力の検査室に飛び込みます。
「(メーカーの)専用の箱ってあるんですかっ!!!???」
「あったかのう」
「あるって今(息切れ)、水色の、入れる数が決まってる専用の箱が」
「ああ、確かあったかもしんねえ。これかい?」
(雑巾とか入れられて置かれてるのを見て脱力)
「あの、これだけじゃないっすよね。他にもたくさん提供されてるはずなんですけど」
「うちの押入れにあるぞ」
「また自宅ですかあああああああああ」
「毛布とか入れてる」
膝から崩れ落ちるわたしの後ろには、いつの間にか担当者が来て黒い何かを吹き出しながら仁王立ちしてます。
「ちょっとさ、社長に話聞きたいんだけど」
つづく!
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