在庫管理システムには様々な形態があります。
自社の問題点の解決や目的にあったものでなければ、せっかく導入したシステムも効果を発揮しないまま、コストだけがかかるものになってしまいます。
在庫管理システムを導入するときは、今抱えている問題点を把握し、自社に必要な機能を理解して、課題を解消し、より業務が円滑に進むシステムを選ぶことが大切です。
入荷・出荷のミスが多い場合
人的作業では、どうしても入力のミスが出る可能性が高くなります。
このミスを防ごうとすると、何人かでチェックをするなど人件費や工数がかかり、効率的ではありません。
この問題に効果的なのが、バーコードで登録が出来るシステムです。
バーコードなどの識別番号をスキャンし、自動的に商品登録を行うことができます。
バーコードによる登録を導入するときは、ハンディターミナルなども一緒に導入する必要があります。
また、ハンディターミナルより安価に使用することができるwebスキャンアプリや、音声で登録するものなど様々な製品が展開されているので、自社にあった製品を使用するのがよいでしょう。
バーコード等による登録システムを導入することで、手作業によるミスへの不安や工数が減り、作業時間を短縮し、効率的に在庫管理を行うことが出来ます。
商品の入出荷に時間がかかる場合
入力のミスや人的作業の非効率ではなく、この場合は商品や荷物の場所を探すことで時間がかかってしまう例です。
多くの商品を扱っている場合、どの棚にどの商品があるのか、どこの倉庫に保管すればよいのか、調べる時間のロスは、思いの外大きいものです。
ロケーション管理をすることができるシステムなら、この「探す」という時間のロスを短縮し、正確に保管・出荷を行うことが出来ます。
出荷時間までの時間制限の中、商品を探すという行動は、出荷のミスを誘発しやすくなります。
ロケーション管理がされていると、検索機能を用いて時間をかけずに場所を把握することが出来ます。
クラウドタイプならスマートフォンなどのデバイスで使用でき、社内、社外どこにいても検索が可能です。
システムを管理する人員がいない場合
システムが不具合を起こすと、社内に対応できる人員がいない場合、その日の業務がストップしてしまいます。
また、自社でサーバーを持つ場合、サーバーの知識が必要となり、データの保管やメンテナンス、更新など、専門の人員を配置する必要があります。せっかく効率化や人件費削減を目的として導入しても、そのシステムを管理する人員を新たに配置することは、コストが発生してしまいます。
クラウド型在庫システムは、サーバーを自社で管理する必要がなく、データもクラウドに保管することが出来ます。
また、クラウド型はインターネット環境があればいつでもアクセス可能で、社内はもちろん、担当が社外でもアクセスして、在庫の確認を行うことが出来ます。
メンテナンスやソフトの更新、トラブル対応など開発元が行うことで、業務に集中し、コストを下げリスクを回避することが可能です。
複数のネットショップで販売を行っている場合
Yahoo!や楽天、Amazonなど、複数のショッピングモールで店舗を展開している場合、ひとつのショップで商品が売れたときに、即時在庫の更新が必要です。
また、店舗の出荷情報を一括して、ピッキングリスト・出荷配送伝票等の出力が出来ると、限られた時間内で効率的な出荷作業が可能です。
このような、複数のネットショップに対して在庫・出品・注文管理を行うことができるASPサービスとの連携が出来るかどうかも、多くの商品数と店舗を扱う場合に重要な選択肢です。
大手のASPサービスは、主要なショッピングモールやCMSなどとの連携が可能となっていますが、連携が出来ないものもあります。
その場合、利用しているネットショップと在庫管理システムのカスタマイズが可能か、把握する必要があります。
在庫管理システムを導入する際、目的は単に在庫数を確認するだけではなく、いかに業務を効率的にコストを下げミスを防ぐことが出来るのかの視点を持つことが大切です。
また、社員がわかりやすく直感で簡単に使用できることも、システムを選定するときの重要なポイントです。
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