ピッキングリストとは?記載項目と3つの型、出荷効率を決める出力順の設計

ピッキングリストとは、出荷する商品と、その商品がどこに保管されているかを一覧にした作業指示書です。

出荷作業は「集める」「詰める」「送る」の3工程に分けられますが、時間の大半を占めるのは最初の「集める」です。

そして集める速さと正確さを決めているのが、手元にあるピッキングリストの形です。同じ人数・同じ棚のままでも、リストを変えるだけで1日の出荷可能件数が変わります。

ピッキングリストに書かれている項目

最低限、次の項目が必要です。

  • 伝票番号・出荷先:どの注文のための作業かを特定する
  • 商品コード(品番・JANコード):名前が似た商品を取り違えないための識別子
  • 商品名・属性:色やサイズなど、現物と照合するための情報
  • 出荷数量
  • 保管場所(ロケーション=棚番):これが入っているかどうかが決定的

納品書を出荷指示書の代わりに使っている現場は少なくありません。商品数が100点以下で出荷も少なければ、それで回ります。

しかし納品書には保管場所が書かれていません。商品が増え、倉庫が広くなるほど「どこにあるか」を知っているベテランしか作業できなくなり、その人が休んだ日に出荷が滞ります。

ロケーションが記載されたピッキングリストがあれば、入ったばかりのパートさんでも同じ速度で作業できます。ピッキングリストは効率化のツールであると同時に、作業の属人化を外すための道具でもあります。

ピッキングリストの3つの型

1. シングルピッキング(得意先別・注文別)

1件の注文につき1枚のリストを出し、その注文の商品だけを集めていく方式です。「摘み取り方式」とも呼ばれます。

集め終わればそのまま梱包に回せるため、工程がシンプルでミスの原因も少なくなります。1注文あたりの商品点数が多い場合や、出荷件数がそれほど多くない場合に向いています。

弱点は移動距離です。100件の注文があれば倉庫を100往復することになり、同じ棚に何度も足を運ぶ無駄が生まれます。

2. グロスピッキング(トータルピッキング・種まき方式)

複数の注文をまとめ、商品単位で合算した数量のリストを出す方式です。

たとえば商品Aが30件の注文に含まれているなら、リストには「商品A/ロケ1-1/50個」と1行で出ます。棚には1回行くだけで済みます。

集め終わったあと、得意先別のリストを見ながら各注文に振り分けます。この振り分け作業をアソートと呼びます。

出荷件数が多く、同じ商品が複数の注文にまたがる通販事業に強い方式です。歩行距離が劇的に減る一方、アソートの工程が増えるため、そこで取り違えないよう検品の仕組みが要ります。

3. 納品書一体型

ピッキングリストと納品書を1枚にまとめた形式です。

集めた商品と一緒にそのまま箱へ同梱できるため、出荷後に作業用の紙が一切残りません。印刷枚数も半分になります。

逆に、作業指示と顧客に渡す書類を分けたい場合には向きません。同じ会社でも取引先によって使い分けたいことがあるため、両方の形式を選べるかどうかがシステム選定時の確認ポイントになります。

出力順が、実は最も効く

見落とされがちですが、リストの並び順は形式そのものと同じくらい効率に影響します。

商品の並びが倉庫の動線と一致していれば、作業者は棚の列を一方向に歩くだけで全商品を集められます。これを一筆書きピッキングと呼びます。

逆に伝票の入力順で出力されていると、1-1の棚に行き、5-3へ飛び、また1-2に戻る、といった往復が発生します。

そのため実務では、ロケーション順・得意先コード順のほか、重量物やケース品を先に集める「ピッキング負荷順」など、現場に合わせた並べ替えを指定できることが重要になります。

並び順を変えることは、棚のレイアウトを変えるより圧倒的に安く、効果はすぐ出ます。もし今のリストが入力順で出ているなら、そこが最初の改善点です。

Excelで作る場合の限界

受注データをExcelに貼り付けてピッキングリストを作っている現場もあります。件数が少ないうちは十分機能します。

ただし、次の3点で早い段階に壁が来ます。

  • ロケーションを手で紐づける必要がある:商品がどの棚にあるかはExcelには入っていないため、別表と突き合わせる手間が発生します
  • 在庫の引当ができない:在庫がない商品もそのままリストに載るため、現場に行ってから欠品が判明します
  • 出荷実績が在庫に反映されない:出荷後に別途在庫を減らす作業が必要になり、ここが在庫のズレの主因になります

「ピッキングリストを作る作業」自体が仕事になっている場合は、在庫管理システムの導入を検討する時期に来ていると考えてよいでしょう。

システム選定でここを見る

在庫管理システム・WMSを比較するときは、機能一覧に「ピッキングリスト出力」と書いてあるだけで判断しないでください。

確認すべきは次の3点です。

  1. シングル・グロス・納品書一体型を選べるか
  2. 出力順を自社の動線に合わせて指定できるか
  3. 実際の帳票サンプルを見せてもらえるか(項目の位置と文字サイズは現場の速度に直結します)

ゼータロジでは、通常の得意先別ピッキングリスト、グロスピッキングリスト、納品書一体型を標準で用意しています。出力順も得意先コード順やロケーション順など任意に指定でき、ピッキング負荷を考慮した複雑なソートにも対応しています。

この領域は導入企業から最も多くご要望をいただいてきたテーマで、改善の蓄積がそのまま帳票の形になっています。詳しくはピッキングリストの機能ページもご覧ください。

納品書だけで出荷作業を続けている場合、ロケーション入りのピッキングリストに変えるだけで作業時間が目に見えて変わります。まずは今使っている帳票に保管場所が載っているかを確認してみてください。

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