出荷件数が伸びてくると、多くの通販事業者様が一度は考えることがあります。「このまま自社で出荷を続けるべきか、外部の物流会社(3PL)に委託すべきか」という問いです。
どちらが正解というものではなく、事業のフェーズや商品特性によって向き不向きがあります。この記事では、自社出荷と3PLの違いを整理したうえで、判断のための具体的な視点をご紹介します。
3PLとは何か
3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは、商品の保管・入出荷・梱包・配送手配といった物流業務を、専門の物流会社に委託する仕組みのことです。
自社では倉庫を持たず、在庫を3PL事業者の倉庫に預け、注文が入るとその都度、出荷作業を代行してもらう形が一般的です。
自社出荷と3PL、何が違うのか
両者の違いは、単に「倉庫を自社で持つか、借りるか」だけではありません。
費用の構造
自社出荷は、倉庫の賃料やシステム利用料、人件費など、出荷件数にかかわらず一定の費用がかかる固定費型です。3PLは、出荷1件あたり・保管1個あたりで費用が発生する変動費型が中心で、出荷件数が少ない時期はコストを抑えやすい一方、件数が増えるほど支払総額も比例して増えていきます。
コントロールできる範囲
自社出荷であれば、梱包資材や同梱物、ラッピングの細かい仕様まで、自社の裁量で決められます。3PLの場合は、委託先が対応できる範囲内での運用になるため、ブランド独自の梱包体験にこだわりたい場合は制約が出ることがあります。
柔軟性とスピード
3PLは、出荷量の増減に応じて委託先の倉庫スペースや人員で吸収してもらえるため、急な繁忙期にも対応しやすいという利点があります。自社出荷は、増員や棚の確保など、対応にリードタイムが必要です。
3PLが向いているケース
- 出荷件数の増減が大きく、繁忙期と閑散期の差が激しい
- 複数の拠点から出荷したい、あるいは海外への発送が多い
- 物流に社内リソースを割く余裕がなく、商品開発や販売施策に集中したい
- 冷凍・冷蔵など、専門設備が必要な商品を扱っている
自社出荷が向いているケース
- 梱包や同梱物にこだわり、開封体験もブランド価値の一部と考えている
- 月間の出荷件数がある程度まとまっていて(目安として500〜3,000件程度)、固定費でコントロールしたほうがコスト効率がよい
- 出荷内容の変更やイレギュラー対応(急ぎの発送、同梱物の差し替えなど)を自社の判断ですぐに行いたい
- 在庫状況をリアルタイムで自社が把握し、販売計画に直結させたい
判断のための具体的なチェックポイント
迷ったときは、次の点を整理してみてください。
- 出荷件数の推移:右肩上がりで増え続けているか、ある程度落ち着いているか
- 繁忙期の変動幅:閑散期と繁忙期で出荷件数が何倍も変わるか
- 梱包・同梱物へのこだわり度合い:標準化された梱包で問題ないか、ブランド体験として重視したいか
- 社内の人的リソース:出荷作業に割ける人員を確保できるか
- 費用の把握しやすさ:固定費で見通しを立てたいか、変動費で身軽にしておきたいか
いずれか一つで決まるものではなく、複数の項目を照らし合わせて、自社にとって重い項目から優先して考えるのが現実的です。
自社出荷を選ぶなら、何が要るか
自社出荷を選んだ場合、委託先が担っていた「在庫の場所を把握する」「注文どおりに集める」「間違いなく検品する」という業務を、すべて自社で仕組み化する必要があります。
これを紙やExcelで代替しようとすると、出荷件数が増えるにつれて在庫のズレや誤出荷が増えていきます。ロケーション管理・在庫引当・ピッキングといった一連の業務をシステム化しておくことが、自社出荷を継続的に回すための土台になります。
WMS(倉庫管理システム)とは?入荷から出荷までの仕組みと機能を徹底解説 →
実際に委託倉庫から自社出荷へ切り替えた事業者様の3日間の記録も、あわせてご参照ください。
自社物流の立ち上げ|委託倉庫から自社出荷へ切り替えた3日間の記録 →
よくある質問
Q. 3PLから自社出荷への切り替えは、途中からでもできますか?
A. 可能です。ただし、在庫の移管や棚の確保、出荷ルールの整理など準備が必要になるため、繁忙期を避けて計画的に進めるケースが多く見られます。
Q. 自社出荷と3PLを併用することはできますか?
A. 主力商品は自社出荷、季節限定品や急なスポット販売分は3PLに委託するなど、商品や販売チャネルによって使い分けている事業者様もいらっしゃいます。
Q. 3PLに委託していても在庫管理システムは必要ですか?
A. 委託先のシステムで在庫状況を確認できる場合が多いですが、複数のモールやカートと在庫を連携させたい場合は、自社側でも在庫を一元管理できる仕組みがあると、欠品や販売機会のロスを防ぎやすくなります。
ゼータロジの立ち位置
ゼータロジは、月間出荷件数がおよそ500〜3,000件規模で、自社の倉庫から自社で出荷されている通販事業者様に向けたクラウド型のWMSです。
3PL事業者様が複数の荷主(委託元企業)の在庫をまとめて管理するための機能までは、標準では対象としていません。個別のご要件がある場合は、まずはご相談ください。
まとめ
自社出荷と3PL、どちらにも向き不向きがあります。出荷件数の推移や繁忙期の変動幅、梱包へのこだわり、社内の人的リソースといった観点から、自社にとって何を優先すべきかを整理することが、判断の出発点になります。
自社出荷を選ぶ場合は、委託先が担っていた業務をどう仕組み化するかが鍵になります。関連する記事もあわせてご参照ください。
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