倉庫の現場で実際に交わされるやり取りを、会話形式でご紹介するシリーズです。第1回は「バーコード管理」を取り上げます。
通販が好調に伸びているのに、商品管理が追いつかない。しかも扱っている商品にはバーコードが付いていない。決して珍しくない状況です。
現場での会話
リーダー「通販モールの売上が伸びているのはいいけれど、商品の管理はもう限界ね」
パートスタッフ「普通、商品にはバーコードが付いているものですよね。うちの商品はどうして付いていないんですか」
リーダー「買い付け先が海外中心だからよ。JANコードは日本の規格だから、なおさら付いていないの」
パートスタッフ「ということは、これから商品が増えても、アルファベットと数字の品番を見ながら入出荷することになりますね。効率が悪くなる一方だと思います」
パートスタッフ「間違えて出荷して、お客様にご迷惑をかけることも増えそうです。いまでもたまに『違う商品が届いた』というご連絡がありますし」
リーダー「バーコードがあればマスタに登録して管理できるのだけど、付いていない商品はどうしようもないのよね」
アルバイトスタッフ「バーコードがないなら、作ればいいんじゃないですか」
リーダー・パートスタッフ「……作れるの?」
アルバイトスタッフ「商品マスタを登録したあと、バーコードが未登録の商品に自動でコードを割り当ててくれるシステムがあります。インストアJANという、社内で使うためのコードです」
アルバイトスタッフ「登録できても印刷できなければ使えませんが、市販のラベルシールに印刷できますよ。専用のラベルプリンタにも出力できます」
パートスタッフ「入荷して棚に入れるときに貼っておけば、出荷のときにバーコード検品ができるということですね」
アルバイトスタッフ「そのとおりです」
この会話で起きていること
やり取りの中に、実務上の要点がいくつか含まれています。順に整理します。
1.品番の目視管理には限界がある
取扱点数が少ないうちは、品番を見て判断する運用でも回ります。壊れるのは、商品が増えたとき、色やサイズの展開が増えたとき、そして人が増えたときです。
その商品を知らない作業者にとって、品番はただの文字列です。「ABC-1201-BK」と「ABC-1201-BR」の違いを、繁忙期の忙しさのなかで毎回正しく見分けられるとは限りません。
2.「たまに来るクレーム」は氷山の一角
誤出荷のうち、お客様から連絡が来るのは一部です。注文品より価値の高いものが届いた場合、連絡が来ないこともあります。
連絡が来なくても、在庫の数字はずれています。クレームの件数より、実際の誤出荷は多いと考えておいたほうが実態に近くなります。
3.バーコードは自社で作れる
社内利用のために確保された番号帯(インストアコード)を使えば、登録料も維持費もかかりません。取引先に発行を依頼する必要もありません。
ただし自分で番号を管理すると、必ず重複の問題にぶつかります。「どこまで使ったか」を人が覚えておく運用は、忙しい時期に崩れます。システム側で自動採番できるかどうかが、実務上の分かれ目になります。
4.印刷して貼るところまでが、ひとつづき
コードを発行できても、ラベルにできなければ現場では使えません。市販のラベルシールで始められるか、専用プリンタに出力できるかは、確認しておきたい点です。
貼る作業は、入荷検品から棚入れまでの間に組み込むのが効率的です。どのみち1点ずつ手に取る工程なので、追加の手間がほとんど発生しません。
バーコードがあると、その先が変わる
バーコードを貼ると、入荷検品・棚入れ・出荷検品・棚卸・ロケーション移動のすべてがスキャンで記録できるようになります。
共通しているのは、作業者が商品を覚えていなくても成立するという点です。ベテランがいないと回らない現場から、誰が入っても同じ品質で回る現場へ。バーコードはその土台になります。
「うちの商品にはバーコードがないから」という理由で検討を止める必要はありません。
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