ネットショップの運営で、地味に時間と労力を奪われるのが出荷ミスのフォローです。
お客様への連絡、返送の手配、正しい商品の再送、送料の負担、そしてレビューへの影響。1件のミスに対して発生する作業は、出荷1件分の何倍にもなります。
「出荷数が多いのだから、ミスはつきもの」と考えている運営者の方も少なくありません。しかし私たちは、誤出荷はゼロに近づけられると考えています。実際、導入いただいたお客様から「誤発送がほぼなくなった」というご報告をいただいています。
この記事では、対策を考える前に押さえておきたい「原因の共通点」についてご説明します。
誤出荷には、いくつかの種類がある
ひとくちに誤出荷といっても、中身は違います。
- 商品の取り違え……色違い、サイズ違い、型番が1文字だけ違う商品
- 数量違い……2個のところを1個、あるいは3個
- 入れ忘れ……複数点の注文で1点が抜ける
- 送り状の貼り間違い……いわゆるテレコ出荷。届け先が入れ替わる
- 同梱物の間違い……納品書や販促物が別のお客様のもの
- 期限切れロットの出荷……先入れ先出しができていない
種類が違えば、有効な対策も変わります。送り状の貼り間違いに対して商品バーコードの検品を強化しても、その部分は防げません。
まずは自社でどの種類が多いのかを把握することが出発点になります。クレームの記録を種類別に数えてみるだけでも、手を付けるべき場所が見えてきます。
すべてに共通する、たったひとつの原因
種類はさまざまですが、原因をたどっていくと共通点が見えてきます。
人間の目に頼っていること。いわゆる目視での確認です。
商品を見て、品番を読んで、これで合っていると判断する。数を数えて、合っていると判断する。宛名を見て、この箱で合っていると判断する。すべて人の判断に委ねられています。
そして人の判断は、条件が悪くなるほど精度が落ちます。
- 似た見た目の商品が並んでいる
- 出荷件数が多く、締め時間が迫っている
- 作業者が慣れていない、または久しぶりの担当
- 長時間の作業で集中力が落ちている
- 途中で声をかけられ、作業が中断した
これらはすべて、繁忙期に同時に起こります。もっとも出荷が多く、もっともミスが許されない時期に、もっとも判断の精度が落ちる。目視に頼る運用の弱点はここにあります。
「気をつける」では、なぜ減らないのか
ミスが起きたとき、対策として真っ先に挙がるのが「確認の徹底」です。ダブルチェック、指差し確認、チェックリスト。
これらに効果がないわけではありません。ただし、次の性質があります。
- 人手と時間が増える……2人で確認すれば工数は2倍になります
- 忙しいときほど省略される……効いてほしい時期に効かなくなります
- 責任が分散する……「相手が見てくれているはず」という心理が働きます
- 効果が測れない……徹底できているかどうかを確認する手段がありません
根本的な解決は、判断そのものを人の手から離すことです。
判断を機械に移すということ
バーコード検品は、この考え方を形にしたものです。
注文データに対して、商品のバーコードを1点ずつスキャンして照合します。違う商品や数量違いは、そもそも次の工程に進めません。作業者が「合っている」と判断する必要がなくなります。
これが「気をつける」との決定的な違いです。集中力が落ちていても、新人でも、繁忙期でも、判定の精度は変わりません。
同じ発想は、他の工程にも適用できます。
- 棚から取る……ピッキングリストに棚番を印字し、探す判断をなくす
- 数を数える……スキャン回数で数量を確定させる
- 送り状を貼る……送り状のバーコードをスキャンして照合する
- 先入れ先出し……ロットや入荷日で引当順を制御する
どの工程にどこまで手を入れるかは、自社で多い誤出荷の種類によって決めます。
どこから手を付けるか
優先順位としては、次の順で考えると無理がありません。
- 出荷検品のバーコード化……もっとも件数の多い「商品の取り違え」「数量違い」「入れ忘れ」を一度に止められます
- ロケーション管理……探す時間がなくなり、急ぎの作業による判断ミスが減ります
- 入荷検品のバーコード化……そもそも間違った在庫を棚に入れない
- 送り状の照合……テレコ出荷が多い場合はここも仕組み化します
いきなり全部を変える必要はありません。1つの工程を仕組みに置き換えるだけでも、体感できる差が出ます。
なお、バーコード検品を始めるためにハンディターミナルを買う必要はありません。パソコンのブラウザやお手持ちのスマートフォンでも始められます。商品にバーコードが付いていない場合も、自社で発行できます。
