ネットショップを運営していて注文が増えると、当然ながら出荷数も増えていきます。そして無視できなくなるのが、出荷にかかる時間と手間です。
業務の効率化といっても範囲が広すぎるので、ここでは時間に絞って考えてみます。出荷にかかる時間を短くできれば、それは効率化できたということになります。
時間を奪っている最大の要素は「迷い」
どんな仕事でも言えることですが、時間を取られる最も大きな要素は迷うことです。
手を動かしている時間より、どうするか考えている時間のほうが長い。作業を観察していると、そういう場面が驚くほど多くあります。
ということは、迷う時間をなくすだけで、大幅に短縮できるということでもあります。
倉庫で発生する「迷い」を分類する
ひとくちに迷いといっても、いくつかの種類があります。
1.どこにあるか分からない
商品を探す時間です。倉庫の中を歩き回り、思い当たる場所を確認していく。1件あたりは数分でも、件数を掛ければ相当な時間になります。
解決策:棚に番号を振り、ピッキングリストに棚番を印字します。探す動作そのものがなくなります。
2.これで合っているか分からない
似た商品を前にして、これでよいのかを確認する時間です。品番を見比べ、色を確認し、もう一度リストを見る。
解決策:バーコード検品にすると、判断が機械側に移ります。スキャンして通れば正解、通らなければ違う。確認するという行為自体がなくなります。
3.どの順番でやればいいか分からない
どの注文から手を付けるか、どの棚から回るか。判断の材料がなければ、その都度考えることになります。
解決策:ピッキングリストの出力順を、歩く順番に合わせて設定します。上から順に処理すれば最短の動線になる、という状態を作ります。
4.どこまで終わったか分からない
作業を中断したあと、どこから再開すればよいかを思い出す時間です。件数が多いほど、この確認に時間がかかります。
解決策:スキャンの実績がリアルタイムで記録されていれば、画面を見れば進捗が分かります。紙に書き込む運用であれば、書き込みやすい帳票を選びます。
5.誰に聞けばいいか分からない
イレギュラーな注文や、初めて扱う商品。判断できる人を探して、手が空くのを待つ時間です。
解決策:出荷指示のコメント欄が確実に目に入る形になっているか、備考の内容が帳票に反映されているかを見直します。
「迷わせない設計」という視点
こうして分解してみると、効率化とは作業を速くすることではないと分かります。
迷う場面そのものを、設計でなくしていく。これが実務での効率化です。
作業者に「もっと速く」と求めても、迷いの原因が残っていれば時間は縮みません。むしろ急ぐことでミスが増え、その対応にさらに時間を取られます。
まず、どこで止まっているかを見る
改善の出発点は、現場を観察することです。
1件の出荷を最初から最後まで、時間を計りながら見てみてください。手が止まっている場面がどこにあるかが分かります。
- 棚の前で立ち止まっている → 探している、または確認している
- 作業台で紙を見比べている → 突き合わせている
- 誰かを呼びに行っている → 判断できずにいる
- 同じ場所を2度通っている → 動線が最適でない
止まっている場面には、必ず理由があります。その理由を1つずつ潰していくほうが、全体を漠然と速くしようとするより確実です。
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