着物と落語の必要性を訴えて早幾年月(そんなに経ってないけど)。
ビジネスを行うなら落語から学ぶことはたくさんありますよ。薀蓄力も付きます。主に役に立たない薀蓄です。
物を薦めて買ってもらうには、様々な関門をくぐらねばなりません。一番最初は、「必要かも?」と思ってもらうこと。そこからです。
「興味なかったんだけど」を変えるきっかけを探そう
大概、「買わねば」と具体的に思う時には切羽詰まっています。
その時には他のものと比較する気が満々なので、「買わねば」というときには遅いのです。
その前の「いや、そっちは興味ないんだけど」の初期段階から掘り起こさねばスタートで遅れをとります。
「興味ないんだけど」と言ってる時に、あなたの商品には興味はないかもしれませんが、その商品にまつわる何かには興味があるかもしれないのです。
話は変わりますが、昨今「女子」の定義が変わっていまして、30代でも40代でも「女子」というらしいですね。
「大人女子」らしいんですけど、ちょっと前までは熟女とかおばさんとか妙齢のカテゴリだったのに、みんな「女子」です。
そんな一億総女子の時代、「女子力」というのは非常に大きなステイタスにあります。
女子力のありなし、女子力のアピール方法、モテるための女子力アップ方法など、女子力がなければ女性じゃないという風潮です。大変です。
例えばここに「着物」があるとします。
昨今の女子力アップに、着物のカテゴリはありません。
モテ女子に必要なのは、お嬢様ワンピだったり膝丈スカートで甘いヒールとゆるふわヘアです。
そこに「きっかけ」を与えることで、「着物をワードローブに加える」という選択肢が増えます。
興味なかったことに、「もしかするとアリかも」となるのです。
周辺情報を掘り起こそう
「着物」の周りにあるネガティブなイメージは
「高い」「年寄りくさい」「着付けができない」「手入れが面倒」「洗えない」「露出度が低い」「暑い」「きつい」「動きにくい」
などがあります。
女子が求める女子力アップの条件を挙げてみます。
「かわいい(男子ウケ重視)」「エロ可愛い」「エロかっこいい」「意外性」「キャラ被りしない」「特別感」「男子から見て可愛い(大事なので2回)」
だそうです。女子って大変です。
そこで、着物を選択肢に加えるために、まずネガティブ条件を取っぱらいます。
- 高い→化繊やリサイクルなら仕立て上りで洋服と同じくらいのお値段
- 年寄り臭い→可愛いデザインの普段着っぽい紬のご提案
- 着付けができない→YouTubeで着付け動画配信とともに半幅帯や作り帯(ワンタッチ式の帯)の販売。着物の難関はおはしょりと帯結びです。
- 手入れが面倒・洗えない→化繊なら洗濯機でおk。リサイクルならウールも良し。
- 暑い・きつい・動きにくい→着物にブーツ、暑さをしのぐ下着、苦しくない楽な着付けを教育。夏は綿の平織りの浴衣より絽や紗が涼しく快適。
その上で、女子力アップの視点から商品を提案していきます。
- 男子ウケ重視の可愛さ→パステルカラーの紬や大正時代アンティーク着物なら「可愛い」。帯や帯揚げ、帯留めなどの小物で遊んで。ちょっと派手な組み合わせも着物ならでは。足元がブーツなら大正時代の女学生・お嬢さん風。
- エロ可愛い・かっこいい→ヘアスタイルはアップで、衣紋抜きでうなじを見せて。たまに見える裏地のコントラストが意外性を演出。粋を目指すならモノトーンの紬にぱっきりカラーの帯、黒の長羽織で玄人っぽさを。
- 意外性→着物の時は、立ち居振る舞いがはんなり。言葉遣いも変わります。
- キャラ被りしない→とりあえず着ている人は少ないので目立ちます。ホテルやレストランでも姫のように丁寧に扱ってくれます。
- 大人女子には「冷えない」「体型カバー」も大事な要素。
そうすると、ほら!
着物でも可愛いは作れる!
これらを認知してもらうには、商品ページはもちろん、ブログやSNSを使ったコンテンツマーケティングが必須。
周辺情報から得られるキーワードを駆使して、記事を発信していきます。
「この年代は興味がないかも」「このカテゴリには売れないかも」と諦めてしまう前に、隙間を見つけてみましょう。
人の興味関心は、何がきっかけになるかわからないものです。
それにしても、着物っていつから高価高級な敷居の高いものになってしまったんでしょうね。
化繊でも木綿でも紬でも、もっと気軽に自由に着て良いものなのに、誰のどこの陰謀なのかしらと思ってしまいます。
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