個人・小規模ネットショップの在庫管理|どこまでExcelで、どこから仕組みか

個人でネットショップを運営されている方のお悩みは、だいたい2つに集約されます。

発送が大変。在庫がよく分からない。

ご家族で実店舗とネットショップを兼ねている場合も同様です。在庫は勘、15時以降はひたすら発送伝票を書く。もう少しミスなく、楽にできないものか。そう思われている方に向けた、はじめの一歩の話です。

まずはExcelで十分です

最初に思い浮かぶのはExcelでしょう。実際、商品点数が少ないうちはExcelで十分に管理できます。

  • 計算式を入れておけば、数字を入れるだけで残数が出ます
  • CSVで他のサービスと連携できます
  • 顧客管理も同じファイルでできます
  • 宅配会社の送り状発行ソフトにも、CSVで渡せます

無理にシステムを導入するより、こちらのほうが速い段階があります。規模に合った方法を選ぶことが、いちばんの効率化です。

Excelでやるなら、最初に決めておくこと

ただし、あとから困らないために決めておきたいことがあります。

商品コードを決める

商品名だけで管理すると、表記ゆれで別物になります。「Tシャツ(白)M」と「Tシャツ 白 M」が別行になれば、在庫は合いません。

短くてよいので、1商品1コードを決めてください。色やサイズの違いは、それぞれ別のコードにします。

置き場所を書く欄を作る

数量の隣に、置き場所の列を作っておきます。棚に番号を貼って、その番号を書くだけです。

この1列があるかどうかで、探す時間がまったく変わります。あとでシステムに移行するときにも、そのまま使えるデータになります。

更新する人を1人に決める

Excelは同時編集に向いていません。複数人が別々に開いて保存すると、どれが最新か分からなくなります。

どこで限界が来るか

次のような状態が出てきたら、Excelの限界が近づいています。

  • 複数のモールに出店した……売れた瞬間に他店の在庫を更新しないと、売り越しが起きます
  • 人が増えた……同時に更新できないことが、そのまま作業の待ち時間になります
  • 入力が追いつかない……出荷してから記録するまでに時間が空くと、その間の在庫数は誤りです
  • 誤出荷が増えた……Excelは間違いを止めてくれません
  • 作った本人しか中身が分からない……担当が変わったときに引き継げません

特に1つ目が起きると、Excelでの管理は急に苦しくなります。モールごとの在庫数を手作業で合わせ続けることになるためです。

切り替えるときの順序

限界が来たときも、いきなり全部を変える必要はありません。

  1. 棚に番号を貼る……費用はかかりません。これだけで探す時間が減ります
  2. 複数モールの在庫同期を仕組み化する……受注管理システムの領域です
  3. 倉庫の中を仕組み化する……検品と棚の管理。WMSの領域です

いま作っているExcelは無駄になりません。商品マスタや初期在庫のデータとして、そのまま取り込めることがほとんどです。

小さく始められる方法もあります

WMSというと大がかりに聞こえますが、始めるための設備は最小限で済みます。

  • 専用のハンディターミナルは必須ではありません(パソコンとUSBスキャナで始められます)
  • 商品にバーコードがなくても、自社で発行できます
  • 棚は既存のスチールラックで構いません。番号のラベルを貼るだけです

まず1ヶ月、実際の商品データを入れて試していただくこともできます。ご自身の商品と棚で動かしてみるのが、いちばん確実な判断材料になります。

発送作業そのものを短くする

在庫管理と並んで負担が大きいのが、発送の作業です。ここも工夫の余地があります。

  • 送り状は手書きをやめる……各運送会社が無料の発行ソフトを提供しています。CSVを渡せば一括で印刷できます
  • 梱包資材のサイズを絞る……種類が多いほど、どれを使うかで迷います
  • 作業台に必要なものだけを置く……探す動作が減ります
  • 1件を完結させてから次に移る……並行して進めると、送り状の貼り間違いが起こります

特に最後の点は、件数が増えたときに効いてきます。商品は合っているのに宛先が入れ替わるミスは、複数件を同時に扱っているときに発生します。

「勘」を記録に変えていく

在庫が勘で回っている状態は、悪いことではありません。それだけ商品を把握されているということです。

問題は、その勘が他の人に引き継げないことと、忙しいときに外れることです。繁忙期や体調を崩したときに、業務が止まります。

棚に番号を貼る、商品コードを決める、置き場所を記録する。この3つだけでも、勘の一部が記録に変わります。システムを入れるかどうかに関係なく、今日から始められることです。

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